人生が軽くなる一歩を『なんだ、歩けばよかったんだ。』から学ぶ
生活が重く感じることは、誰にでもある。そんな時、手に取りたい本が『なんだ、歩けばよかったんだ。』だ。この作品は、著者の矢作直樹が自身の経験をもとに、歩くことの魅力と効果を説いている。
歩くことの意義
本書で矢作は、ただ歩くことがもたらす「安心感」について語る。歩くという行為は、身体のみならず心も整えてくれる。それは、人生のさまざまな問題を脇へと追いやり、自己を取り戻すための手段でもある。特に現代は情報が溢れかえり、私たちの脳は常に働き続けているが、体はそのスピードについていけない。こうしたずれが、心に重さをもたらすのだ。
頑張り続けることの危険
仕事や家庭での悩みを抱える人は多い。一生懸命悩みに向き合うことは当然だが、「まだ頑張れる」という言葉を繰り返すことで、やがて身心が疲弊してしまうことがある。そんな時、一歩外に出て歩くことで、視点が変わり、これまで問題だと思っていたことが薄れていく感覚を得ることができる。
著者の経験によれば、身体が動き、呼吸が整うことで、本当の自分と向き合うことが可能になる。心の中にあった問題は依然として存在するが、それらが主役から脇役へと移ることで、軽やかな気持ちを取り戻すことができる。これは、まるで気持ちをリセットするような感覚だ。
自己を見つめ直す瞬間
「まだ、いける」を手放すことが重要だという。無理をせずに自分自身を見つめ直すことで、新たな判断力が生まれ、「戻れるかどうか」が人生の基準となる。矢作は過去に登山家を目指していたが、その経験を通じて自らの限界とは何かを悟り、戻れる場所の大切さを知った。
著者の体験談は、登山の厳しさや生死を懸けた瞬間を交えつつ、私たちにも「戻る場所があるか」と問いかける。疲れている時は、歩くことによって安全なベースに帰ることができる。これは身体的な運動だけでなく、心の運動でもある。
著者のプロフィール
矢作直樹は、昭和31年に横浜市で生まれ、金沢大学医学部で学んだ。彼はかつてプロの登山家を目指し、過酷な冬季登山で奇跡的に生還した経験を持つ。それ以降、医学の現場で数多くの人々に向き合ってきた。著書も多く、「人は死なない」や「自分を好きになる練習」など、人生における大切なテーマを多角的に探求している。
書籍情報
本書『なんだ、歩けばよかったんだ。』は、144ページの小B6判で、2026年5月24日にハート出版から発売される予定である。定価は税別で1,200円だ。この本は、忙しい毎日を送る現代人にとって、心の健康を考えるきっかけとなる一冊である。読み終えた後、きっと一歩外に出たくなるだろう。
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