2025年3月決算会社の業績予想、電機と自動車業界の明暗が分かれる

業績予想のダイナミクス

2025年3月期の決算に向けた業績予想が、各界から理由をもって発表されました。株式会社東洋経済新報社が行った調査によると、全産業での営業利益は前年度比で6.6%の増加が見込まれています。この結果は、上場企業全体の中で占める3643社を対象に、各業界担当者によって具体的な数値が集計されたものです。

電気機器の強い伸び

特に注目すべきは、半導体関連企業で、東京エレクトロンやアドバンテスト、キオクシアホールディングスなどが目立つ存在となっています。これらの企業は、生成AIの急成長に伴う投資の増加が背景にあり、昨年度の業績不振から劇的な回復を遂げています。電気機器セクターでは、実に30.9%の営業増益が見込まれていて、業界全体の引き上げ要因となっています。

自動車業界の厳しい状況

一方で、自動車業界は厳しいのが現実です。トヨタ自動車や日産自動車、いすゞ自動車といった業界大手が減益になる見込みで、これは世界的な販売台数の減少に起因しています。自動車業界はサプライチェーンも広がっているため、主要企業の業績後退は他の関連事業にも影響を与えるでしょう。この結果、輸送用機器セクターでは8.7%の営業減益が見込まれています。

来期の見通し

来期に目を向けると、トヨタをはじめとする自動車関連の業績は回復傾向にあるとされています。予測では、輸送用機器は今期比で8.8%の営業増益が見込まれており、電気機器セクターも9.8%の増益を期待されています。これにより、両業界の業績差がさらに広がる可能性があります。

為替相場への影響

ただし、懸念される点もあります。米トランプ政権の関税政策や為替動向は、企業業績に直接影響を及ぼす要因となるでしょう。特に、米国の関税政策については、まだその影響が見極めきれない状況であり、約30社が業績への影響を懸念しているというコメントも寄せられています。また、為替レートは来期も1ドル150円前後、1ユーロ160円前後を前提として設定されています。