年賀状の歴史を深く知る一冊
日本の年始の風物詩である年賀状。その歴史は江戸時代にまでさかのぼり、時代とともに形を変えながら受け継がれてきました。今回、株式会社インプレスから新たに発刊される『絵葉書と資料でたどる年賀状の歴史』は、年賀状の発展やその文化的意義を探る貴重な書籍です。
書籍の概要
著者は年賀状ビジネスに長年従事してきた高尾均氏。彼は日本国内外から集めたレトロな年賀葉書のコレクターとしても知られ、4万枚を超えるコレクションを持ちます。本書では、江戸から昭和にかけての年賀状の変遷を、美しいコレクションと共に詳細に解説しています。
ハードカバー版、電子書籍版の両方が用意されており、印刷書籍はA5サイズで200ページにも及ぶ内容です。年賀状の歴史を読み解くことで、単なる挨拶状以上の意味を持つこの文化の奥深さに気付くことでしょう。
年賀状の魅力
年賀状には、個々の歴史や思いが色濃く反映されています。江戸時代の大名たちの年賀状や、明治時代に入ってからの干支の絵が取り入れられた様子、大正期の子ども向け年賀状、そして昭和初期の牧野富太郎の写真年賀状など、貴重な資料が満載です。
特に、戦前の年賀状が興味深く、趣味や芸術としての側面が色濃く表れています。これらの年賀状は、美術的価値だけでなく、その時代の文化や人々の生活を知る手がかりとなります。
文化としての年賀状
近年、「年賀状じまい」という言葉が流行する中で、年賀状は徐々に姿を消しつつあります。しかし、年賀状には日本独自の文化としての大切さが残っています。この本を通じて、年賀状の意義やその持つ温かみを再認識することができるでしょう。
また、年賀状のコレクションという視点からも、新たな文化の発見があるかもしれません。著者は年賀状の未来についても提言しており、今後の年賀状文化をいかにして受け継いでいくかを考えるきっかけになるでしょう。
著者について
高尾均氏は1949年に愛媛県で生まれました。印刷屋を開業し、年賀状印刷のビジネスに携わる中で、年賀状文化の重要性に目覚め、長年年賀状の収集を行ってきました。彼の視点からの年賀状に対する情熱が、本書にも色濃く反映されています。
まとめ
『絵葉書と資料でたどる年賀状の歴史』は、単なる年賀状のカタログではなく、年賀状を通じて日本の文化や歴史を感じることができる内容となっています。年賀状ファンはもちろん、日本の文化や歴史に興味を持つ全ての人にとって必読の一冊です。興味がある方はぜひ、書店やオンラインストアでお手に取ってみてください。