環境省主催「ぐぐるプロジェクト」で福島の想いを全国へ発信
2023年7月31日、環境省が主催する「ぐぐるプロジェクト」のキックオフミーティングが東京国際フォーラムで開催されました。このプロジェクトは、放射線による健康影響に関する正確な情報を伝えるもので、特に福島の状況を全国の人々に理解してもらうことを目的としています。最新の取り組みとして、福島メッセンジャーズのメンバーが中心となり、各地での情報発信を強化すると発表されました。
ふくしまメッセンジャーズの活躍
「自分ごと化と行動のバトン、全国へ」をスローガンに設定し、今年度のプロジェクトが始動しました。今年は、8月6日から7日にかけて開催される「こども霞が関見学デー」で、親子連れを対象としたブースを展開する予定です。ここでは、クイズ形式で福島や放射線についての理解を深めてもらう試みが行われます。
また、全国各地のイベントへの参加も計画されており、メンバー達は効果的な情報伝達方法や必要な資料の準備を進めています。このような積極的な取り組みにより、福島のメッセージがより広い範囲で共有されることが期待されています。
ロールプレイングによる実践
キックオフミーティングでは、メッセンジャーズのメンバーによるロールプレイングも実施されました。親子連れを想定したシナリオや、同年代への呼びかけの実演が行われ、そこでのやりとりを通じて、福島のことを理解してもらう方法を模索しました。特に、小学生役を務めた桂三四郎さんと母親役の箭内夢菜さんとの息の合った演技は、参加者の中で緊張感をもって行われ、実際のイベントに向けた貴重な経験となりました。
大阪大学の大竹文雄特任教授は、このプログラムに対して高い評価を述べました。親子連れをターゲットにしたロールプレイングでは、子供の興味を引くキャラクターの話題を用いることで、親近感を持たせることの重要性を指摘し、クイズ形式で問題を深化させる方法の効果的であることを強調しました。
また、同年代向けのロールプレイングに関しても、若者同士の情報共有がとても強い影響力を持つため、正確な情報を伝えることの意義を再確認しました。全ての世代に向けた正しい情報発信を行うことは風評被害を防ぐ一助となるとしています。
今年度の活動ポイント
キックオフミーティングでは、昨年度の活動結果に基づく今年度の方針についても議論され、大竹教授は、福島メッセンジャーズが絵本を制作したことを振り返りました。その結果、震災を体験した世代と体験していない世代の意識差が明らかになり、年代に応じて情報発信を変える必要があることがわかりました。
大井通博環境省大臣官房審議官は、この調査結果を基に、細かな動きを取り入れた情報発信の重要性を強調し、「誰一人取り残さない社会の実現に向けて取り組んでいきたい」との意気込みを示しました。
今年度のキックオフミーティングの詳細な様子は、8月下旬から「ぐぐるプロジェクト」の特設サイトで公開される予定です。全国の人々に福島の声が届くことを願って、今後の展開に注目です。