隈研吾の建築哲学が詰まった初の絵本『けんちくってたのしい!』
2025年4月9日、株式会社KADOKAWAから世界的建築家・隈研吾の初監修となる絵本『けんちくってたのしい! たてものとそざいのぼうけん』が発売されます。この絵本は、ふしぎな猫に導かれた2人の小学生が、隈研吾と共に世界中の建築物を巡る物語です。本書には、隈さんの建築に対する深い思いや素材への考えが詰まっており、子どもたちと建築の魅力を共有する貴重な機会となっています。
絵本の内容とアート
本書は、イラストレーターのたつみなつこが手がけており、彼女にとっての絵本デビュー作品でもあります。たつみさんは、実際に訪れた建築物や隈さんからのインスピレーションを基に、細部にこだわったアートを展開しています。作品には、以下のような多彩な建築物が紹介されており、それぞれの建物が持つ特徴がストーリーに活かされています。
- - 高知県の梼原町立図書館(雲の上の図書館)
- - 新潟県のシティホールプラザアオーレ長岡
- - 静岡県のCOEDA HOUSE
- - および国立競技場など日本国内外の著名な建築
読者の反応
この絵本の刊行に先駆け、モニター親子から寄せられた感想には、子どもたちの自由な発想を引き出す力が感じられます。例えば、読者の一人は、「自分もその世界にいるような気持ちになった」と嬉しそうに語り、また別の保護者は、絵本を読んだ後に子どもが周囲の素材について考え始めたことを報告しています。絵本を通じて新しい視点を持った子どもたちの成長を感じる様子は感動的です。
隈研吾からのメッセージ
巻末には、隈研吾から子どもたちへの特別なメッセージも収録されています。「思うようにつくれなくても良い」と自由なものづくりを楽しむ姿勢について語られており、隈さん自身の子ども時代のエピソードを通じて、発想の自由さや楽しさが伝わります。これは、子どもたちにとって非常に励みとなることでしょう。
原画展の開催
本書の刊行を記念し、原画展が2025年4月9日から5月6日まで、ところざわサクラタウンにあるダ・ヴィンチストアで開催されます。この展示では、本書に収録された作品の原画はもちろん、展示されなかった幻の原画も見ることができる貴重な機会です。作品の繊細な美しさを直接体感できるこの展覧会は、子どもたちだけでなく大人も楽しめる内容になっています。
著者プロフィール
隈研吾
隈研吾(くま けんご)は1954年生まれ。1990年に隈研吾建築都市設計事務所を設立し、現在も建築の革新に寄与しています。プロジェクトは50を超える国々で進行中であり、自然と技術と人間の新しい関係を探求し続けています。主な著作には『隈研吾 オノマトペ 建築 接地性』などもあります。
たつみなつこ
たつみなつこは東京都出身のイラストレーターで、武蔵野美術大学の視覚伝達デザイン学科を卒業後、さまざまな媒体で活躍しています。彼女の独特な視点で描かれるイラストは、小さな子どもたちにも親しまれており、本作が絵本作家としての第一歩となります。
このように、『けんちくってたのしい!』は、子どもたちに建築の魅力を伝え、創造力を育む素晴らしい絵本です。私たちの周りにある建物や素材に目を向けながら、子どもたちがその中に潜む魔法を発見する手助けをしてくれることでしょう。