恐怖と不思議が織り交ぜられた信州の怪談
長野県の風景には、美しい自然や豊かな文化が息づいていますが、その影には神秘的で時には恐ろしい伝説も隠れています。著者・丸山政也氏が贈る最新作『長野怪談』は、信州各地の怖い話を集めた一冊で、地域の歴史や文化に根ざした物語を通じて、読者を異界の世界へと誘います。
怖い話のセレクション
この怪談集には、長野県内のさまざまなエリアからの逸話が詰まっています。例えば、松本城の堀には恐ろしい女の顔が浮かんでいるという「堀の顔」。また、長野市に位置する善光寺では、訪れた恋人が直面する怪異が描かれ、想像をかき立てます。さらに、千曲市では開かずの間から老婆の視線がこちらを覗く「憐れむ目」、佐久市には霊道が存在すると言われる「佐久平のマンション」など、様々な恐怖がラインナップしています。
信州の奥深い山々や古い城跡、大自然の中にひっそりと潜む怪奇現象。例えば、塩尻市の異界「分水嶺の貌」は、死の予兆を示す不気味な石仏とされていますし、諏訪市では濡れた旧紙幣を持つ不気味な訪問者が現れるという噂もあります。また、駒ヶ根市の「痣」は、雪の下に埋もれた黒い手が目撃される恐怖の物語です。
籠もった伝説
本書の魅力は、信州全域を網羅している点にあります。「長野怪談」というタイトルが示すように、一見長野市だけに焦点を当てていると誤解されがちですが、実際には県全体の怖い話や伝説が含まれています。この編纂は、地元の文化や歴史を反映しつつ、特定の地域に限らず、広範囲な暗い側面を描くことを目指しています。
著者の丸山氏は、地元の人々の語り草や伝承に基づき、親しみやすくも恐ろしいストーリーを巧みに織り交ぜています。また、彼はこの作品を信州観光の裏ガイドブックとも位置付けており、訪れる人々への新たな視点を提供しています。単なる怪談集に留まらず、信州の文化の奥深さを探る旅でもあるのです。
特典情報
『長野怪談』の発売を記念して、特定の書店では、未収録の独自エピソードが楽しめる特典ペーパーが配布されます。トップカルチャー蔦屋書店では「岩を背負う男児」という作品が、平安堂では「谷底」と題した作品が手に入ります(※一部店舗を除く)。各店舗によって配布状況が異なるので、事前に確認することをおすすめします。
書誌情報
- - タイトル:『長野怪談』
- - 著者:丸山政也
- - 発売日:2026年5月29日
- - 仕様:文庫/224ページ
- - 予価:750円+税
この一冊を手に取れば、信州の持つ恐怖の深淵に触れられることでしょう。ぜひ『長野怪談』を通じて、まだ知らぬ怪異の世界を体験してみてください。怪談を語る夜にぴったりの逸品です。