北川原温 初個展「時間と空間の星座」
2025年6月7日から2026年5月17日まで、山梨県・小淵沢の中村キース・ヘリング美術館にて、建築家として国際的に活躍する北川原温の初個展が開催されます。この展覧会は、彼が設計した美術館の一部として行われ、北川原氏の創造の軌跡を辿る内容となっています。
展示内容は、スケッチや模型、そして北川原氏自身の言葉を通じて、彼の建築に対する思考や創造プロセスを多角的に紹介しています。展覧会タイトル「時間と空間の星座」は、彼の建築が持つ多様性を示しており、記憶や文学、哲学など、さまざまな分野からインスピレーションを受けていることが今展覧会で感じ取れます。
展覧会と共に発売される書籍
本展覧会に合わせ、北川原氏の初の日本語書籍『北川原温時間と空間の星座』が2025年11月20日に発売されます。この書籍は、展覧会構成の「空間の本」と「時間の本」2冊組で、建築家の思想や創造プロセスを徹底的に探るものです。
「空間の本」では、展覧会内のインスタレーションや模型、スケッチの詳細が掲載され、北川原氏の言葉や資料を通じて建築のプロセスが紹介されます。特に、彼の世界観や理念に迫る貴重な情報が詰まっています。また「時間の本」では、展示未公開の資料やドローイング、そして《中村キース・ヘリング美術館》の設計に至るまでの詳細が披露され、彼の創作過程をより深く理解することができます。
北川原温の建築の背景
北川原温氏は1978年に《ナジャの家》でデビュー以降、渋谷の映画館《ライズ》などで都市の虚構性を表現してきました。彼のユニークな建築スタイルは、国内外から注目を集め、特に90年代には東日本大震災後の福島県最大の避難場所として知られる《福島県産業交流館ビッグパレットふくしま》や、2015年の《ミラノ国際博覧会2015日本館》など、公共建築にも多く携わっています。
本書では、北川原氏の40年に及ぶキャリアや理念に影響を与えた出来事や人々も紹介されています。特に、大学在学時代のエピソードや建築家としての数々の作品など、彼の人生や思想に迫る内容が満載です。
書籍の魅力
本書の見どころは、彼の建築家としての視点を広げるために、国内外の著名な寄稿者からのテキストが含まれている点です。寄稿者は、フレデリック・ミゲルーやマルコ・インペラドーリ、さらには日本国内外の若手建築家など、多彩な背景の持ち主たちです。これにより、北川原氏の思想や人間像、さらには彼の作品に対する新たな視点が提供されます。
まとめ
中村キース・ヘリング美術館での北川原温の初個展と、展覧会に合わせて発売される『北川原温時間と空間の星座』は、建築に興味がある方々にとって必見のイベントとなるでしょう。彼の創造力に満ちた建築の世界をこの機会に体験し、その哲学や作品の根底にあるものを学んでみてはいかがでしょうか。