松屋フーズが進める水稲の節水栽培方法実証プロジェクトの意義

松屋フーズとNEWGREENが挑む新しい農業の形

近年、農業は多くの課題に直面しています。特に日本では、農業人口の減少と高齢化が進行し、農地の集約化が急務とされています。また、環境問題に対する意識が高まる昨今、農業からの温室効果ガス排出の問題も重要視されています。そんな中、株式会社松屋フーズは、新たな水稲の栽培方法である「水稲の直播・節水型栽培」の実証に取り組むことを発表しました。これは、株式会社NEWGREENおよび芙蓉総合リース株式会社との共同プロジェクトです。

水稲の直播・節水型栽培とは？

水稲の直播・節水型栽培は、種籾を水を張らずに直接播き、補水は雨水や走水によって行うという新しい栽培方法です。この方法は、水を大幅に節約しながらも、稲の栄養素吸収率を高められるバイオスティミュラント資材を活用しています。これにより、従来の稲作における一連の労働工程を効率化し、農業従事者の負担を軽減することを目指しています。

課題を解決するための取り組み

現在、日本の農業は、農業人口の高齢化や減少に伴い、さまざまな課題を抱えています。それらの中で生産コストの高騰や温室効果ガスの問題は特に深刻です。松屋フーズは、これらの課題解決の一手段として、本栽培方法に注目しています。具体的には、育苗や田植え、水管理の省力化が図れるほか、メタンガスの排出を削減する効果も期待されています。

松屋フーズと芙蓉リースは本栽培方法の普及を目指し、必要な資材の提供や栽培マニュアルの作成を行っています。NEWGREENと協力しながら、共同実証圃場の設置を進めており、千葉県木更津市での実施を予定しています。

収量と品質を両立させる実証実験

今回の実証では、稲作が松屋フーズの商品として提供できるかどうかを見極めるため、収量や品質の確認も行います。NEWGREENは資材提供や稲作に関する指導を行い、松屋フーズはこのプロジェクトの進行を担います。また、芙蓉リースは資金的な支援を通じて、今後のカーボンクレジット創出プロジェクトへの参画による経験を活かし、本栽培方法が持つ環境的価値の活用についても検討します。