新刊「ホタルのことばが知りたい」が示すヘイケボタルの新発見とは
新たに発表された児童書『ホタルのことばが知りたい』が、4月16日にくもん出版から刊行されました。この本は、ヘイケボタルの不思議な会話の世界と、その背後に隠された科学を探求するものです。著者の大場裕一教授が解説を担当し、在野の研究者である高津英夫氏の長年の観察成果をもとに構成されています。
在野の研究者、高津英夫氏の挑戦
本書の主役となる高津氏は、大学などの研究機関に所属しない研究者です。彼は自身の好奇心を駆動力にして、フィールドワークと独自の電子工作を用いて、ヘイケボタルが特定のパターンで交信している事実を発見しました。これは、ダーウィンやファーブルといった先人たちが挑戦してきた「ホタルがなぜ光るのか」という問いに対して、全く新しい視点をもたらします。
高津氏の研究は、身近な生き物の減少に危機感を抱く中でスタートしました。「生態を知ることが生き物を守る鍵である」という信念を持ち、長年にわたり地道な観察を重ねてきました。そして、ついに得た成果は専門家からも評価され、論文として発表されるに至りました。
本書の目的とメッセージ
『ホタルのことばが知りたい』は、高津氏のように特定のバックグラウンドを持たない者でも、情熱を持って探究することで大きな発見を成し遂げることができるというメッセージを子どもたちに伝えています。科学への好奇心を持つことで、身近な疑問を掘り下げ、探究心を育むことの大切さが詰め込まれています。
美しいイラストと科学的解説
この本の魅力は、発光生物学の専門家である大場教授の言葉によって綴られるホタルの光のメカニズムに加え、サイエンスイラストレーター安斉俊氏による精緻なイラストにもあります。オスのヘイケボタルが示す輝きを科学的にビジュアル化し、その美しさと複雑さが存分に表現されています。読者は、科学の世界に足を踏み入れながら、視覚的にも楽しむことができるのです。
書誌情報
- - 書名: ホタルのことばが知りたい
- - 著者: 大場裕一、絵:安斉俊
- - 対象: 小学校中学年から
- - 定価: 本体1,400円+税
- - 判型・ページ数: A5判、64ページ、オールカラー
- - ISBN: 978-4-7743-3876-7
著者紹介
大場裕一
1970年札幌生まれ。北海道大学理学部卒業後、中部大学応用生物学部の教授を務める。発光生物学を専門に数多くの著書を持ち、研究に努めている。
安斉俊
埼玉県出身のサイエンスイラストレーター。大学で生物を学び、博物館の展示イルストや学習漫画などに携わり、精緻な科学イラストを手掛ける。
本書は、分類学や生態学に興味を持つ子どもたちにとっても、新たな魅力を持つ一冊です。ヘイケボタルの光の秘密を通して、科学の楽しさを感じてみてはいかがでしょうか。