関裕二の新刊登場
2025-09-18 11:56:27

関裕二の新刊『古事記の正体』が9月18日に登場!その深淵に迫る

関裕二の新刊『古事記の正体』が登場



関裕二の最新作『古事記の正体』が9月18日に新潮新書より発売される。本書は日本古代史における「古事記」の位置づけとその背後に潜む謎を深く掘り下げている。著者の関裕二はこれまで数々の著作を通じて独自の視点を提供し、さまざまな古代史の謎に挑んできた。今回は「日本最古の書」と謳われる「古事記」に焦点を当て、その真実を明らかにしようとする試みだ。

「古事記」は江戸時代の国学者、本居宣長によって深く評価され、日本人の精神性の根源を伝える書として神聖視されてきた。しかし、実際には数多くの謎が存在している。その中でも最も大きなポイントは、「日本書紀」という正史が存在するのに、なぜ「古事記」なる別の歴史書が必要とされたのか、という疑問だ。なぜ成立が8世紀で、5世紀以降の歴史記述が途絶えているのか。その問いに本書は挑戦する。

偽書説の根拠とその意義



本書において関裕二は、「古事記」を「偽書」と考える立場から議論を展開している。彼は「日本書紀」の信憑性に疑問を投げかけ、その正史のウソを告発するために1世紀後に書かれた「古事記」の存在を強調。著者は、「日本書紀」の編纂に関与したとされる藤原不比等が中心になって歴史が構築され、藤原氏の正義を証明するために意図的に捻じ曲げられた歴史がある可能性を指摘する。

このように、各編纂者の立場から見ることで本書は単なる歴史の再考だけでなく、信じられている「歴史」というものがどのように形成され、バイアスがかけられるのかという問題にも切り込んでいく。

親族・秦氏との関係性



もう一つの重要な要素として、歴史記述がなぜ5世紀で終わっているのかに関して、渡来系の豪族である秦氏が深く関わっていることを指摘する。秦氏は天皇家や藤原氏によって使い捨てられた一族であり、彼らの背景が「古事記」にどのように影響を及ぼしているのかを探る。このように、関裕二は「古事記」を通じて見えない歴史の力学を照らし出す。

本書の魅力



『古事記の正体』は、古代史とその捉えられ方に関する新しい視点を反映しており、単なる歴史書ではなく、日本人の精神的な価値観やその形成過程に大きな影響を与えた書物として位置づけられる。読者はこの本を通して、数世紀を経た今でも語り継がれる「古事記」という作品の奥深さに触れることで、歴史というものの多面的な顔を理解することができるだろう。

関裕二は著書の中で、古代の複雑な人間関係や権力闘争、文化の交互作用を描き出し、読者に一つの物語としても楽しめる内容に仕上げている。『古事記の正体』は、古代史に興味がある人はもちろん、日本の文化や伝承に関心がある人にもおすすめの一冊だ。

書籍情報


  • - 著者: 関裕二
  • - 出版: 新潮新書
  • - 発売日: 9月18日
  • - 価格: 968円(税込)
  • - ISBN: 978-4106110993
  • - 詳細: 新潮社公式サイト


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