特殊印刷の魅力を深掘りした『デザインのひきだし55』
2025年6月に発売される書籍『デザインのひきだし55』は、デザイナー必見の内容が詰まった一冊です。本書は、デザインを具現化するための印刷技術や加工方法をわかりやすく解説しています。特に特集されるテーマは「スクリーン印刷&リソグラフ=孔版印刷で特殊印刷」となっており、これらの技術を駆使した独自の表現方法について詳しく紹介しています。
幅広い特殊印刷技術を紹介
『デザインのひきだし』シリーズは、特に印刷・紙・加工の技術情報を集約しているのが特徴ですが、今回の55号ではその中でも特に目を引く特殊印刷技術に焦点を当てています。スクリーン印刷やリソグラフは、他の印刷手法では得られない独特の色合いや質感を表出することができるため、デザイナーにとって非常に魅力的な選択肢となります。
スクリーン印刷の魅力
スクリーン印刷は、専用の版を使って色を重ねることで、通常では表現できないようなインパクトのある仕上がりを実現します。本書では、スクリーン印刷の基本概念から、様々な技術を使用した「得意技」を7つのカテゴリに分けて詳述。例えば、「UV厚盛」という技法により、触覚的な特徴を持つ作品を作り出すことができ、見るだけでなく触る楽しみも提供します。
リソグラフの魅力
リソグラフ、もしくはレトロ印刷とも呼ばれるこの技術は、ユニークなプリント効果を引き出すための手法の一つです。版に直接色を乗せることで、無骨さが逆に魅力となる作品が生まれます。本書ではリソグラフの基本的な仕組みや特徴も解説し、実物サンプルとして96ページにわたって多様な印刷物をサイズ別に確認できます。
充実の実物サンプル
『デザインのひきだし55』には、実際に手にとって楽しめる13種類のスクリーン印刷のサンプルが付属しています。それに加えて、フロッキー印刷による植毛加工や、香料を使用した印刷技術なども網羅されており、デザインの可能性を広げるきっかけとなるでしょう。さらに、新しい紙「エウダイモニア」のサンプルも掲載されており、印刷物を作成するための素材選びにも役立ちます。
注目の連載や特別記事
本書には、既存の内容に加え、さまざまな連載や特別記事も収められています。注目すべき連載「もじモジ探偵団」では、街で見かけた気になる文字を探求し、阪神甲子園に伝わるフォントの真実を明らかにします。また、人気企画の一環として、佐藤直樹による特別対談も紹介され、著名なデザイナーによるインサイトが充実しています。
書籍情報
- - 書名: デザインのひきだし55
- - 編集: グラフィック社編集部
- - 発売日: 2025年6月
- - 仕様: B5判並製 / 総160頁
- - 定価: 2,750円(10%税込)
- - ISBN: 9784-7661-4018-7
この一冊は、特殊印刷を探求する人々にとって貴重な資料となることは間違いありません。