AI時代における人間の価値を見直す三浦慶介の新著

AI時代に生まれる新たな価値観

2025年11月5日、株式会社東洋経済新報社から三浦慶介氏の待望の著書『AI時代に仕事と呼べるもの：「あなただけ」の価値を生み出し続ける働き方』が発売される。この本では、AI活用に必要なスキルとはただのスキルではなく、人間が持つ独自の価値がいかに重要であるかを深く掘り下げている。

三浦氏は、AIが進化する中で、人間のキャリアが無価値になるのではないかという危機感から本書を執筆した。その中で彼が導き出したのは、「AIを使いこなすスキル」とは別に、人間が持つべき「3+1の価値」が存在するということだ。これは単なるAIの使い方を学ぶことだけでは解決できない、より深い問題を提示している。

3+1の価値とは？

では、この「3+1の価値」とは何なのだろうか？すなわち、次の4つの要素から成り立っている。
1. 経験知：AIにはない現場からの学び。
2. 決断：選択し、責任を背負う行為。
3. レビュー：成果物の質に責任を持つこと。
4. フィジカル：信頼と文脈を形成する対面でのやり取り。

この4つの要素を組み合わせることで、AI時代において人間が持つべき本質的な価値を明確にする。

AIの限界と無駄な仕事

著者は、AIに頼りすぎることがもたらす無駄についても言及している。経験知もない状態で出された結果物は、時に価値を持たないものとなり得る。実際に、誰にとっても魅力的ではない自動生成された資料や、不正確な情報を含む記事の大量生産が増えているのが現状だ。これはAIの力を借りただけでは解決できない問題であり、むしろ「3+1の価値」を磨かないことで逆効果になっている。

本書の目次からの考察

本書は、AI時代における仕事の定義から始まり、どうやって成果を持続的に出し続けるか、その思考の基盤について探求する内容となっている。各章では、経験知を積むことの重要性や、実際の現場での決断、そしてレビューを通じて質を担保することの必要性を解説し、最後には「フィジカル」なコミュニケーションの意義について考察がなされる。

三浦慶介の経歴と専門性

著者の三浦慶介氏は、株式会社グロースドライバーの代表取締役社長として多くの事業成長を牽引してきた。彼は、一橋大学法学部を卒業後、サイバーエージェントやリヴァンプなどでの豊富な経験を積み、2025年に独立した。ゲーム、教育、飲食など多岐にわたる業界での経験を元に、AI時代の人材育成と事業戦略に特化した知見の提供に尽力している。

『AI時代に仕事と呼べるもの』は、単なるビジネス書としてだけではなく、今後の働き方を真摯に考える全ての人々に向けた一冊である。これからの時代、私たちは果たしてどう変わり、何を持って価値を認められるのか、ぜひ一読していただきたい一冊だ。