京極夏彦の新作『猿』が12月22日に登場
日本のホラー文学シーンを代表する作家、京極夏彦氏の新作長編小説『猿』が、2025年12月22日に株式会社KADOKAWAから発売されることが決定しました。この作品は、京極氏のデビュー30周年を迎える2024年より、雑誌「怪と幽」で連載された物語を基にしています。
恐怖の本質に迫る
本作は「猿がいる」という同居人の一言から始まる物語で、その中で京極氏が描く「恐怖」とは何かに切り込んでいます。特に最近、モキュメンタリーホラーや心理的な恐怖をテーマにした作品が人気を集める中、京極氏がどのようにこのテーマに取り組むのか非常に注目されています。また、作品を通じて恐ろしさの根底にあるものを解き明かしていく過程が、有名な作家ならではの独創性で描かれています。
異彩を放つ装幀の美
さらに、書籍のカバーには金の箔押しが施されており、光の角度によって猿の姿が見え隠れする仕掛けが施されています。この装幀を手がけたのは、坂野公一氏(welle design)で、デザインに込められた意図にも注目が集まることでしょう。
あらすじ
物語は、岡山県の山中にある限界集落を舞台に展開します。主人公は曾祖母の遺産相続に伴い、日常生活に潜む「違和感」に苦しむことになる。「猿がいる」と語る同居人の言葉に引き寄せられる形で、次第に彼の日常は不安定になり、恐怖が彼を取り巻くようになります。この過程で、日常の中に潜む奇妙な気配がどのように悪化し、物語がどう進展していくのか、その過程が読者を引き込むことでしょう。
書誌情報
- - 発売日:2025年12月22日(月)
- - 定価:2,200円(本体2,000円+税)
- - 頁数:368頁
- - 装幀:坂野公一(welle design)
- - ISBN:9784041157190
- - 初出:「怪と幽」vol.017~vol.020(2024年8月刊~2025年8月刊)
本作は単行本化に伴い、大幅な書き下ろしが加えられています。京極氏の手による新たな恐怖世界に、ぜひお期待ください。
京極夏彦プロフィール
京極 夏彦(きょうごく なつひこ)は1963年、北海道生まれの小説家であり、独自の視点から物語を紡ぐ意匠家です。1994年に『姑獲鳥の夏』でデビューし、その後多くの受賞歴を持つ実力派作家として知られています。
公式HP
大極宮
今回の『猿』を通じて、読者は京極夏彦の新たな恐怖の真髄に触れることができるでしょう。