全米で注目!短編集『きみはメタルギアソリッドⅤ:ファントムペインをプレイする』
2025年2月27日に、河出書房新社から発売されるジャミル・ジャン・コチャイによる短編集『きみはメタルギアソリッドⅤ:ファントムペインをプレイする』が、全米の注目を集めています。アフガニスタン系アメリカ人作家であるコチャイは、その独自の視点を通じて、痛みや歴史、文化の交錯を描くことで、多くのファンの心を掴んでいます。
アメリカ文学界の新星
この作品は、コチャイがアスペン・ワーズ文学賞やO・ヘンリー賞、クラーク・フィクション賞などの名誉ある賞を受賞したことでも知られています。彼の作品は、ニューヨーカー誌のベストブックにも選出され、2023年には「全米図書賞 フィクション部門」の最終候補に選ばれるなど、その評価は高まる一方です。
『きみはメタルギアソリッドⅤ:ファントムペインをプレイする』では、戦争を逃れて来た家族の物語や、現代アメリカのポップカルチャーが描かれています。12編から成るこの短編集は、まるで実験的なスタイルでありながら、心に残るメッセージを伝えています。
表題作の舞台裏
特に注目すべきは、表題作のストーリーです。アフガニスタンから移民した一家の少年が主人公であり、新作ゲーム『メタルギア・ソリッドⅤ』を手にした彼は、ゲームの世界を通じて自らの過去と向きあいます。スネークとしてアフガニスタンの土地に降り立つ少年は、自分や家族に似たキャラクターを見つめつつ、迫り来る暴力の中で叔父を救う決断を下すのです。この葛藤は、ゲームという媒介を通して綴られ、深い感情を呼び起こします。
多様な作品群
他の作品も魅力的です。配達され続ける息子の肉片を繋ぎ合わせる母親、パレスチナの解放を求める学生たち、死に向かう老女を見守る天使など、痛みとユーモアが同居する物語が展開されます。それぞれの作品は、コチャイの独自の視点で語られ、どこか心に刺さるものがあります。
ジャミル・ジャン・コチャイの軌跡
ジャミル・ジャン・コチャイは1992年、アフガニスタンの内戦を背景に難民キャンプで誕生し、カリフォルニア州で成長しました。彼の作品には故郷アフガニスタンで受け継がれる物語が色濃く反映されており、彼の経験が創作の基盤になっています。アフガニスタンとアメリカの文化が融合した作品を通して、彼は新たな文学の地平を開いています。
書籍の詳細
本書の仕様は46判の上製で、272ページ。発売日は2025年2月27日、税込み価格は2750円です。電子書籍版も近日中に発売される予定ですので、そちらもチェックをお忘れなく!
この独自の視点で描かれた短編集は、メタルギアソリッドのファンはもちろん、文学に興味がある方にもおすすめの一冊です。ジャミル・ジャン・コチャイの未来に期待しつつ、その作品に触れてみてください。