アニメーション映画『Another World(世外)』情報
アニメーション映画『Another World(世外)』が、2025年に開催予定のシッチェス・カタルーニャ国際ファンタスティック映画祭に正式に選ばれ、上映されることが決まりました。この映画は、デジタルハリウッド大学大学院の教授、吉村毅が立ち上げた「日本IPグローバルチャレンジ・プログラム」から生まれたもので、小説『千年鬼』(著:西條奈加)を原作としています。
シッチェス・カタルーニャ国際ファンタスティック映画祭について
シッチェス・カタルーニャ国際ファンタスティック映画祭は、1968年に創設され、カンヌやヴェネツィアと並ぶ著名な映画祭です。特にホラー、ファンタジー、SFやアニメーションジャンルで高い評価を受けています。その中でも「ニュー・ビジョンズ」部門は、革新的な視覚表現や独自の作者性を持つ作品が紹介される重要な舞台です。『Another World』の選出は、その芸術性と独自性が評価された証といえるでしょう。
映画の内容
『Another World(世外)』の物語は、魂が輪廻転生前に通る幻想的な世界「世外」を舞台にしています。主人公のグドは、死者の魂を導く精霊であり、彼はユリという少女との出会いを通じて人間の感情の複雑さに気づくことになります。彼は、天女ミラの指示に従い、ユリの怒りを抑え、彼女が怪物に変わるのを防ぐために奮闘します。
制作の背景
本作は香港のアニメーションスタジオ、POINT FIVE CREATIONS LIMITEDとの国際共同制作として進められ、2025年春に完成する予定です。また、制作前には香港フィルマートで開催された国際企画コンテストで劇映画部門の大賞を受賞しています。このことからも、プロジェクトのクオリティの高さがうかがえます。
出品後の展開
『Another World(世外)』は、シッチェス映画祭以外にも、2025年6月にはアヌシー国際アニメーション映画祭でも上映予定です。これらの映画祭を経て、世界各国での配給が予定されており、国際的な舞台でも評価されることが期待されています。
監督とプロデューサーのプロフィール
本作の監督は、トミー・カイ・チュン・ン氏で、過去に多くの受賞歴がある実力派です。また、プロデューサーにはポリー・ユン氏が名を連ねており、彼女も様々なジャンルで成功を収めた実績があります。彼らの手により、アニメーションの新しい風が吹き込みます。
プロジェクトの意義
「日本IPグローバルチャレンジ・プログラム」は、デジタルハリウッド大学の学生たちが、日本の隠れたポテンシャルを発見し、海外でのエンターテイメント作品に転換するために設立されたプロジェクトです。これは日本の文化やコンテンツが国際的に通用する可能性を示す一環でもあり、大きな意義を持つ活動です。
『Another World(世外)』の上映は、日本のアニメーション界における新しい可能性を提示する大きな一歩となるでしょう。映画の公開を心待ちにする多くのファンが期待に胸を膨らませる中、このプロジェクトの成功は日本のクリエイティブ産業にとっても明るいニュースとなることが期待されます。