新刊のご紹介
著者・大井藤花の『子どもの声から引き出される探究学習』が、2025年10月7日にパレードから発売されました。この本は、教育の現場で積み重ねられた実践と理論を交え、探究学習の意義を深く掘り下げたものです。子どもたちの「やってみたい」という気持ちを大切にし、教師と子どもが共に学び合う姿勢を促しています。
探究学習が持つ力
「子どもの声」は学びの出発点とされ、本書の中心テーマとなっています。筆者は、中学校の現場での実践を通じて、探究的な学びがどのように生まれるか、またそれがどのように教育課程に少しずつ影響を与えていくかを説明しています。
1章: 教育課程の背景
第1章では、探究学習における制度的背景や新学習指導要領の重要性に触れています。令和の日本型教育では、持続可能な社会を築くための学びの最適化や協働性が求められています。探究的学びの重要性が今こそ問われているのです。
2章: 探究サイクルの実践
続く第2章では、探究サイクルの各段階における子どもの姿や教師の支援方法が具体的に記されています。特に「ecomame」という校内ボランティア団体の立ち上げにおける実践例は、SDGsを背景に子どもたちが社会課題を自分のものとして捉える過程が描かれています。
3章: 子ども理解の深さ
第3章では、子どもたちとの日常のやり取りから見える「子ども理解」の重要性が強調されています。子どもを学ばせる存在ではなく、共に学ぶ存在として接することが必要であると説いています。この根本的な姿勢が、探究学習を支えるのです。
教員へのエール
本書は、毎日のように子どもたちと向き合う教員たちへのエールであり、彼らの努力と真摯さに寄り添う形で書かれました。筆者自身も探究学習についての理解を深めるため、試行錯誤しながらこの作品を完成させたと述べています。
また、装幀にも特別なこだわりが見られます。表紙デザインを手がけたのは、著名なイラストレーターの藤枝リュウジ氏で、子どもたちの表情には著者の思いが込められています。
読者層
この本は小学校・中学校・高等学校で勤務する現職の教員を主な対象としていると同時に、教育実習を控える大学生や教育学部に所属する学生にも役立つ内容です。子どもとの関係を築きながら、探究的な学びへの取り組みを模索している教員にとって、示唆に富む一冊となるでしょう。
著者のプロフィール
大井藤花は1990年生まれで、静岡県静岡市を拠点に教育に携わっています。小学校教諭を経て、中学校で英語科の教員として活動しており、学校内でボランティア団体を立ち上げたり、総合学習の授業を担当するなど、教育の実践を重ねています。
書籍基本情報
- - 書名: 子どもの声から引き出される探究学習
- - 著者: 大井藤花
- - 出版社: パレード
- - 発売日: 2025年10月7日
- - ISBN: 978-4-434-36058-9
- - 定価: 1,650円(本体価格1,500円+税10%)
この書籍を通じて、教育現場における探究学習の重要性やその意義を再認識し、学びの現場を共に考えていくことが期待されています。
今後の探究学習のあるべき姿に、多くの方が触れることを願っています。