工場の設備管理を支える新刊登場
2025年2月、日刊工業新聞社より新刊『カラー版 空気圧設備の保全』が発売されます。本書は、著者の小笠原邦夫氏が、空気圧設備の維持管理や異常発生時の迅速な対応方法を解説する実用書です。特に製造現場では、コロナ禍による影響で設備の維持管理が疎かになっている状況が続いていますが、本書がその解決に向けた一助となるでしょう。
近年の製造現場と設備管理の現状
製造業は、日々の生産に追われるあまり設備の維持管理が不十分になりがちです。特に空気圧設備は高経年化が進んでおり、機器や配管系統にトラブルが増えているのが現状です。最近の調査でも、工場で使用される空気圧設備は異常が生じるケースが多く、休日明けに立ち上げた際に安定した動作が得られないことが多いとされています。安定した稼働に時間がかかることは、設備に何らかの異常が発生しているサインです。
設備維持のための自主保全能力の重要性
ベテラン資格者の退職が相次ぐ中、設備の自主保全能力を蓄える必要性が高まっています。しかし、現実には正しい技能が定着していないことも見受けられます。現場リーダーに相談しても、「動作不具合が発生しても原因を特定できない」「頻発するトラブルの全体像を把握できない」といった声が多く聞かれます。このような状況では、部品交換のみで事後的な保全作業に終始してしまい、根本的な解決とはなりません。
空気圧設備全体の理解が鍵
空気圧設備には、エアに含まれた異物が複雑な配管経路を通過してしまうリスクが存在します。これにより、末端の制御弁やシリンダの性能に影響が出るため、配管の施工状態を正しく理解し、異物混入を防ぐ対策が重要です。単に機器の交換を行うだけでは、トラブルの再発を招いてしまいます。
書籍の特徴と内容
本書では、空気圧設備に特化した知識を提供し、異常発生時の迅速な対策方法をカラー写真を交えて詳しく解説します。読者は、空気圧設備の基本操作や部品交換に必要な知識を身につけることが可能です。本書は2016年に発行された同名書籍の内容を刷新し、わかりやすさを追求した一冊となっています。
目次一覧
1. 空気圧設備の有効性と弱点
2. 空気圧システムの構成を知る
3. 機器の点検ポイントを把握して正常と異常を判断する
4. 災害を防ぐ安全な保全作業への取り組み
5. 設備を長もちさせる正しい部品交換作業
6. 空気圧設備の動作不具合の原因
書籍情報と著者について
書籍はA5判、全192頁、フルカラーで定価は3,080円です。また、著者である小笠原邦夫氏は多くの技術支援の経験を持ち、工場設備に関する幅広い指南を行っています。
本書を手に取ったことで、空気圧設備の保全に対する理解が深まり、それを実行するためのスキルを身につけることができるでしょう。工場での生産性向上を目指す皆様にとって、非常に有益な一冊となることは間違いありません。