PERSONZの晦日ライブが伝えた“今がバンドのピーク”の真実
2025年に結成41周年を迎えるPERSONZが、大手町三井ホールで毎年恒例となる晦日ライブを開催しました。昨年の全国ツアー『QUEST FOR TREASURE LAND』に続き、6月には新作アルバム『WHAT A WONDER WONDERLAND』をリリース。この日は、ケミストリーを生んだブラスセクションとの共演が特に注目され、バンドの新たな魅力が引き出される貴重な瞬間となりました。
開演を迎える17時、秋の陽が傾くなか、舞台の背後には東京タワーが深紅に染まる幻想的な景色が広がります。第1部はオルケスタ・デ・ラ・ルスなどで知られる五反田靖(トランペット)を中心に編成されたブラスセクション、通称“WHAT A WONDER WONDERLAND BOYS”との特別な幕開け。「ADVENTURE」のイントロで、観客の期待が一気に高まる中、藤田勉(ドラム)、渡邉貢(ベース)、本田毅(ギター)が次々に姿を現し、それぞれのソロを披露、ライブのスタートが告げられます。
JILL(ボーカル)が登場し「ウェルカム・トゥ・ワンダーランド!」と叫ぶその瞬間、会場は一体感の中に包まれます。最新アルバムの楽曲「WONDERLAND」へと移行し、ジャジーな雰囲気の中、赤いトップハットを被ったJILLが客席へ特大のトランプカードを投げ、まるでこの日の記念すべきショーへの招待状のように感じさせます。観客とともに共鳴する瞬間が作られていきます。
JILLの挨拶から「FACE TO FACE」では、彼女が自らスマートフォンを用いてステージと観客の姿を記録し、楽しさ溢れる場面が展開されます。その後のパフォーマンスは、ブラスセクションとの響きが一層増し、ダイナミズムが際立つ印象を与えました。
「今日は35本目のライブ。来年はもっと増やす計画です!」JILLの言葉に、今年の締め括りとしての思いが感じられます。その後、曲「MOMENTS」へと繋がり、この瞬間を生きていることの重要性が強調されました。
ブラスセクションが舞台から退くと、メンバー全員が一言ずつ挨拶。各自が今年の感謝の気持ちを表す中、観客との距離がさらに近づきます。「来年は47都道府県をまわる予定です!また全国各地で会いましょう」と藤田が未来への期待を語る一幕も見られました。
続く「FLOWER OF LOVE」、東京を背景に歌われる「東京タワーであいましょう」では、オーディエンスとのコール&レスポンスが生まれ、強い一体感を感じることができました。さらに、アップテンポでダンサブルな「MIDNIGHT TEENAGE SHUFFLE」が披露されるころには、観客の熱気が会場を包み込みます。
ダブルアンコールでは、JILLと本田による「HALLELUJAH」が見事に歌い継がれ、身近で提供されるその歌声に場内は歓声で満ち溢れました。さらには「GOD BLESS YOUR LOVE」が流れ、現代社会の問題に寄り添う内容の歌唱が、明日への希望を感じさせます。
この晦日ライブを経て実感したのは、PERSONZがただ古き良き音楽を演るのではなく、常に新しい挑戦を続けているということ。彼らの姿勢や意欲は、定期的に自身を更新しつつも、ファンとの絆を大切にする力強いメッセージとなっていました。
2026年には、約24年振りとなるベストアルバム『RELOAD BEST』の発売が控えているとのこと。このアルバムにより、過去との対峙がどのような形で実現されるのか、ファンにとって楽しみが尽きない状況です。
結成43年目を迎えるPERSONZ。彼らの音楽は変わり続けている私たちにとって、まさに“今が最高の瞬間”だと教えてくれました。彼らの音楽との旅が、これからも続いていくことを願わずにはいられません。
取材・文◎椎名 宗之
写真◎サイトウ リュウタロウ