青山学院大学での特別ワークショップ
2024年、青山学院大学にて、ビクターエンタテインメント株式会社が開催した「ビクター社員と音楽ビジネスから著作権を学ぼう」という社会連携ワークショップが話題となっています。この取り組みは、全学部・全学年の学生を対象に、音楽ビジネスと著作権についての理解を深めることを目的としています。
学生たちの参加と学びの内容
参加した30名の学生は、身近な音楽の事例を通して著作権について学ぶ機会を得ました。特に、スマートフォンでの音楽視聴やSNSでのBGM利用といった日常的なテーマを取り上げ、講師は法務・契約を担当するライツプランニング部のスタッフが務めました。彼らは多様な事例を交えながら、著作権の基本からAI生成物に関連する最新の情報までカバーしました。
ワークショップは、まずビクターエンタテインメントの経営企画部が企業の概要を紹介することでスタート。続いてライツプランニング部によって著作権の重要な論点が解説されました。具体的には「著作物とは何か」や「著作権がどのように発生し保護されるのか」といった基礎知識が提供されました。
学生たちはグループに分かれ、ロゴマークや建築物、事実表記、さらにはAI生成物が著作物に該当するかどうかを議論。これにより、実際の問題を考えることで理解がさらに深まりました。
音楽ビジネスの実際と質疑応答
後半のセッションでは、実践的な内容に焦点を当て、身近な場面での権利許諾の事例や著作権のライセンス、譲渡のメカニズム、またYouTubeやTikTokといったプラットフォームの収益化の仕組みを解説しました。ここでは、アーティストや作詞家、作曲家、レーベル、音楽出版社といった権利者の相互関係も示され、音楽業界の構造が図示されることで、学生たちの理解がさらに深化しました。
質疑応答の時間も設けられ、参加者からは音楽著作権のみならず音源の取り扱いや音楽ビジネス全般に関する質問が多く寄せられ、学生たちの高い関心が明らかになりました。
ビクタースタジオ見学会
このワークショップに続き、ビクターエンタテインメントが運営する「ビクタースタジオ」の見学会も行われました。参加者は、1940年に設立されたスタジオのバックグラウンドを学びながら、実際のレコーディングルームやミキシングルームを見学しました。プロのエンジニアが案内役として、音楽がどのように制作されるのか、その過程を丁寧に解説しました。
参加者には、ボーカルレコーディングマイクを使って自分の声を聴いたり、ミキシングルームでのデモ体験が提供されました。参加後のアンケートでは、「音楽制作には多くの手間と時間が掛けられていることを実感した」といった感想が寄せられ、参加者たちは音楽制作の現場や業界の仕組みに対する理解を深めました。
今後の取り組み
ビクターエンタテインメントは、学校との連携を今後も続けていく意向を示しており、音楽文化の発展に寄与する活動を行っています。このワークショップを通じて、多くの学生が音楽ビジネスと著作権についての知識を得ることができ、今後の音楽業界における人材育成に寄与することが期待されています。
このような取り組みは、ただ学ぶだけでなく、実際に音楽が生まれる過程を体感できる貴重な機会であり、これからの音楽文化の未来を担う学生たちにとって、大きな影響を与えることでしょう。