満ちる想い、響くハーモニー
専修大学松戸高等学校(専松)の合唱部が、今年初めて「NHK全国学校音楽コンクール」(Nコン)全国大会に進出し、見事銅賞を受賞しました。この快挙は、彼らが学校としての夢を追い続けてきた証です。
夢を繋ぐ先輩たちと後輩たち
合唱部の部長である大西七花さんと、副部長の古川ひば里さんは、中学校時代から合唱部に在籍してきました。新型コロナウイルスの影響で多数の大会が中止となった時期を経て、先輩たちのリベンジを心に誓いながら練習を重ねてきたのです。特に大西さんは、先輩の悔しさを自分たちの力に変える強い意志を持っていました。
「昨年の先輩たちからの思いを胸に、全国大会を目指しました」と語る大西さん。大先輩たちの中止となった大会の悔しさを思う時、彼女たちは絶対に夢を実現するという決意を強くしました。
一致団結する練習
昨年の最上級生となった彼女たちは、「みんなで最後までやり抜く」と新たな目標を立てました。全員で歌う楽しさが復活した今年、部活動の雰囲気も徐々に団結してきました。「練習の初めの頃は、意識がばらばらだったんですが、徐々にみんなが同じゴールに向かうようになってきました」と振り返る古川さん。
彼女たちは、自発的に練習を重ね、毎日のように歌声を磨きました。この「聴き合い練習」を取り入れたことで、より一体感のあるハーモニーが生まれ、合唱部はその成果を感じ取っていました。
ついに掴んだ全国舞台
Nコンの関東甲信越大会を迎えると、彼女たちの心には強い自信が宿っていました。「納得できるパフォーマンスができた」と教えてくれた彼女たちは、大会の結果発表の瞬間に感情を爆発させました。「みんなと一緒に泣きました」と言う大西さんの言葉には、彼女たちの努力が実を結んだ喜びが溢れていました。
顧問の松井理恵先生も、この瞬間をずっと待ち続けていました。音楽的な資質がない中で、コンクールへの挑戦を続けてきた彼女は、「この日が来るとは思わなかった」と感慨深げに語ります。
賞を獲得する力に変わった合唱部
全国大会の舞台に立つことができた大西さんは、「感謝の気持ちを込めて歌いました」と言い、古川さんは「NHKホールで再び歌うことができたことが嬉しかった」と続けました。無事に歌い上げた彼女たちは、場内の観客からも拍手を受け、同時に銅賞という結果を手にしました。
未来への希望と想い
松井先生は、「彼女たちは素晴らしい努力をしてきました。これからの後輩たちにも、試行錯誤を通じて音楽を楽しんでほしい」と期待しています。
3年生の2人からは、次の代へのメッセージも寄せられました。「結果だけを求めるのではなく、部活そのものを楽しんでほしいです」と話す古川さん。この言葉には、彼女たちが築き上げてきた伝統をしっかり引き継いでいく強い意志が込められています。
これからも専松合唱部は新たな道を切り拓き、音楽の喜びを次世代へとつないでいくことでしょう。