実力派作家・佐藤正午の ten 年越し待望作『熟柿』が2025年3月に登場

佐藤正午の最新作『熟柿（じゅくし）』がついに登場！

2025年3月27日（木）、著名な作家である佐藤正午の最新長編小説『熟柿（じゅくし）』が、株式会社KADOKAWAから発売される。本作は、彼が10年の歳月を経て世に送り出す待望の一作であり、ファンからの期待が高まっている。

佐藤正午は、これまで『鳩の撃退法』や『月の満ち欠け』などの作品で、その洗練された筆致と豊かな表現力で読者を魅了してきた実力派作家だ。特に『鳩の撃退法』は山田風太郎賞を受賞し、『月の満ち欠け』は直木賞を受賞するなど、その評価は確固たるものとなっている。

深いテーマを持つ物語のあらすじ

『熟柿』は、過去の罪に苦しむ一人の女性の物語で、彼女がいかにして静かな決意を持ち、再生の道を歩んでいくのかが描かれている。物語は激しい雨の夜、眠る夫を車に乗せたまま老婆をひいてしまったかおりが、轢き逃げの罪に問われることから始まる。彼女は裁判中に息子、拓を出産するが、出所後は息子に会いたい一心で、さらなる罪を犯してしまう。「園児連れ去り事件」といった彼女の行動は、息子との接見を禁じられた結果のものであり、彼女は過去を隠すために西へ西へと逃げ続ける。
問題が深刻化する中で、彼女にはやがて自身の過去にまつわる衝撃的な秘密が明かされることになる。このように、物語は罪と罰、再生のテーマを深く掘り下げており、読者に強い印象を与えることでしょう。

書誌情報と特徴

『熟柿』は、四六変形判、368頁という体裁で、価格は2,035円（本体1,850円＋税）。装丁は鈴木成一デザイン室が手掛けており、ビジュアル面でも期待が寄せられる。また、電子書籍も同日配信される予定であり、紙派の読者もデジタル派の読者も楽しめる一冊となっている。

佐藤正午プロフィール

佐藤正午は1955年に長崎県で生まれ、1983年に『永遠の1/2』でデビューした。その後、数々の文学賞を受賞しており、特に『鳩の撃退法』と『月の満ち欠け』の受賞は彼の文学的な地位を確立する大きな一歩となった。彼の作品には『Ｙ』『ジャンプ』『５』『アンダーリポート』『身の上話』『ダンスホール』『冬に子供が生まれる』などがあり、多才な作風が特長だ。