デスゲーム小説『ぼくたち学校不適合者です』が注目を集める
2023年7月18日、集英社みらい文庫から新たな小説『ぼくたち学校不適合者ですワルイコは消される!?極限デスゲーム』がリリースされる。この作品は、著者あいはらしゅう氏が放つ異色のデスゲーム小説で、表面上の楽しさだけでなく、深いテーマも掘り下げられている。
物語の内容
本作の主役は小学6年生の結斗(ゆいと)。彼はクラスメイトのイジメを止めようと奮闘するが、逆にその行為が濡れ衣を招き、法的に「悪い子」と見なされ、矯正施設「最後の学校」へ送られてしまう。そこで待ち受けているのは、教育の名の下に行われる厳しいデスゲームだ。
集められたのは、全員が“悪い子”であり、彼らは互いに罪の重さを比べられたり、大人のルールに従わなければ「消される」という過酷な状況に置かれている。物語は、そんな極限状態の中で、結斗が自分自身と向き合いながら「悪」について深く考える場面を描く。
独自のテーマ
この小説では「“悪い”とは何か?」という問いかけが核心にある。子どもたちが直面する社会の矛盾や理不尽さを映し出したこの作品は、単なるエンターテインメントに留まらない。登場人物たちが持つ個性や、凶悪な教師・賽河原鬼郎(さいがわらおにろう)との対立もストーリーを盛り上げる重要な要素だ。
創造力豊かなタッグ
物語の執筆を担うあいはらしゅう氏は、発表当初から児童文学の世界で注目され、『迷宮教室』等で多くのファンを獲得している。彼は現在も中学校で図書館司書を務めることもあり、読み手の目線に寄り添ったリアルな描写が特徴だ。
また、イラストを担当する日野杏寿氏は、その卓越した画力で知られ、作品の緊迫感や不穏な雰囲気を見事に表現している。特に、本書には日野氏による10ページの描き下ろしプロローグ漫画も収められ、物語のスタートから読者を引き込む作りとなっている。
読者へのメッセージ
作中であいはら氏は、学校不適合者という言葉に込めた思いを語り、それが物語のテーマと深く結びついている。