川内有緒著『ロッコク・キッチン』がBunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞！書籍化も決定

川内有緒の受賞作品『ロッコク・キッチン』が注目の的

株式会社講談社が誇る作家、川内有緒さんの新刊エッセイ『ロッコク・キッチン浜通りでメシを食う』が、第35回Bunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞しました。川内さんは、これまでにも『空をゆく巨人』で開高健ノンフィクション賞、また『目の見えない白鳥さんとアートを見にいく』ではYahoo!ニュース／本屋大賞ノンフィクション賞を受賞するなど、数々の業績を挙げてきた実力派です。新たな傑作に期待が寄せられます。

審査員の高評価

その作品を評価したのは、ノンフィクションライターの最相葉月さん。今年の選考委員として、受賞作を決める重要な役割を果たしました。最相さんは、本作品について「福島第一原発の事故を描くのにこんな方法があるのかと驚き、最後まで見届けなければと思った」と述べています。『ロッコク・キッチン』は、国道六号線を舞台にした日常生活を描き、登場人物たちの食と人生が織り交ぜられた一冊です。

本の魅力と出版情報

川内さんは本書を通じて「皆さんは、どのようなキッチンで、誰と何を食べているのだろう？」という問いを投げかけます。旅の中で彼女が出会った忘れられない光景や味わいが、一之瀬ちひろさんによる美しい写真とともに盛り込まれています。書籍は2025年11月20日頃の発売予定で、四六ワイド版で予価2200円（税別）となっています。

映画化プロジェクトも進行中

さらに、川内さんの作品が映画化されることも決定しています。三好大輔さんと共同で監督を務めるドキュメンタリー映画『ロッコク・キッチン』が、10月12日に山形国際ドキュメンタリー映画祭においてワールドプレミア上映されます。この映画は、川内さんのエッセイの魅力を映像としても楽しめる機会となります。

著者について

川内有緒さんは1972年生まれ、東京都出身のノンフィクション作家です。アメリカ、南米、フランス、日本を渡り歩きながら国際協力の分野で12年間従事した後、物書きとして独立しました。旅行記やエッセイを中心に活動し、多くの賞を受賞した実績を持っています。ドキュメンタリー映画『目の見えない白鳥さん、アートを見にいく』も共同監督しており、彼女の作品には一貫して深い視点が感じられます。

Bunkamuraドゥマゴ文学賞について

Bunkamuraドゥマゴ文学賞は、1990年に設立され、パリの「ドゥマゴ賞」の精神を受け継いだもので、既成概念にとらわれない文学の可能性を探ることを目的としています。受賞作は毎年異なる選考委員によって選ばれ、選考は非常にユニークな視点から行われています。主催は株式会社東急文化村で、文学界に新たな風を送り続けている賞のひとつです。

川内有緒さんの『ロッコク・キッチン』は、彼女の豊かな感受性と独創性が詰まった作品であり、多くの読者に感動を与えることでしょう。