感覚で楽しむ音楽体験が実現する未来
音楽は耳で聴くものと思われがちですが、落合陽一氏と日本フィルハーモニー交響楽団のコラボレーションによる「五感で感じる、身体で聴く音楽」という新たな試みが、それを覆そうとしています。2025年に行われる「落合陽一×日本フィルプロジェクトVOL.9《null²する音楽会》」には、聴こえにくい方々が音楽を楽しむための新たなアプローチとして、振動で感じる打楽器「ハグドラム」と「ハンドルドラム」が導入されます。
特別な音楽会の概要
この特別な音楽会は東京(8月21日)と大阪(8月30日)で開催され、各地の公演では聴こえにくい方々のために設けられた「ハンドルドラム席」が用意されます。この席は、2,000円で同伴者も料金が同じというお得なもので、音楽を観賞する新たな方法を提案します。
ハグドラムやハンドルドラムと呼ばれる楽器は、叩くことで生じる音を光や色、振動で感じることができる特別な打楽器です。この楽器を用いることで、視覚や触覚を通じて音楽を楽しむ新しい体験が提供されます。特に役立つのは、リズム通訳担当の演奏家が配置されることで、振動を介してリズムを伝えられるという点です。
音楽の壁を壊す試み
「落合陽一×日本フィル」プロジェクトは、2018年の「耳で聴かない音楽会」から始まり、常に音楽の楽しみ方に挑戦してきました。このプロジェクトのモットーは「ふさがれた壁を壊し、音楽をすべての人々に届ける」という理念に根ざしており、世代や障がいに関わらず、誰でも楽しめる場所を作ることを目指しています。
過去の公演でも、聴こえにくい方のための席を用意するなど、配慮がなされてきましたが、今回は「ハンドルドラム席」が新たに8席追加され、より多くの人々がこの音楽会に参加できるようになりました。
公演詳細と参加方法
2025年の公演では、東京公演がサントリーホールで、万博会場で行われる大阪の公演は全席無料ですが、ハンドルドラム席には事前の申し込みが必要です。詳しい情報は日本フィルの公式サイトやサービスセンターで入手できます。ここでは、聴こえない人たちが音楽を楽しむために導入されたさまざまなデバイスも紹介されます。
当日、公演チケットを持参した方はこの関連イベントにも無料で参加でき、音楽の新たな体験についての展示を楽しむことができます。
新しい音楽体験に向けて
このプロジェクトを通じて、落合陽一氏と日本フィルは、デザインとテクノロジーの融合による新しい音楽体験の「原型」を作り出すことを目指しています。音楽の楽しみ方が変わる時代に、皆さんもぜひ一緒に参加して、その変化を体験してみませんか?
音楽は耳だけではなく、全身で感じるものだという新しい常識を、今回の音楽会をきっかけに確立していくのです。