朗読劇『成瀬』初日レポ
2025-09-14 10:14:21

大人気作品の朗読劇『成瀬は天下を取りにいく』初日公演の感動レポート

朗読劇『成瀬は天下を取りにいく』初日公演レポート



2025年9月13日から始まった朗読劇『成瀬は天下を取りにいく』。その初日公演は、静かに幕を開け、やがて劇場中が成瀬あかりの熱に包まれる瞬間を迎えました。声だけによって織りなされる青春と感情の高まりが、観客の心を揺さぶる感動的な体験を作り上げました。

原作である宮島未奈の『成瀬は天下を取りにいく』は、2023年に出版されると瞬く間に話題になり、独自の魅力を持つ主人公に多くの読者が共感しました。物語の舞台は滋賀県大津。女子高生成瀬あかりの決意と行動力が、周囲の人々を巻き込む姿は、様々な賞を受賞し、累計150万部を突破するなど、社会現象のように広がりました。

朗読劇という斬新な形での展開には、日替わりの人気声優たちが出演し、各公演ごとに異なる魅力を楽しむことができます。この日の公演では、成瀬あかり役に岩田陽葵、島崎みゆき役に紡木吏佐、西浦航一郎役に梅田修一朗が登場しました。

岩田陽葵の繊細な演技


岩田が演じる成瀬は、常識外れな行動が目立つキャラクターですが、岩田の演技はその奥にある純粋さや孤独感を表現しています。特に日常的な会話の中に見える決意や他者とのズレを恐れない言葉の強さには、彼女独特の自然さがありました。成瀬の「島崎、わたしはお笑いの頂点を目指そうと思う」という宣言には観客も共鳴し、岩田の迫力ある声が舞台を活気づけました。

紡木吏佐の親友役


紡木の島崎役は、成瀬の「異質な親友」という立ち位置を見事に体現。彼女は成瀬の突飛な行動を受け入れる器の大きさを持つキャラクターとして、観客の共感を引き出します。抑えたトーンで自然な親しみを持たせることで、物語のリアリティをしっかり支えていました。島崎の存在は、成瀬の強烈な個性を受け止めるバランス感覚を持ち、舞台全体に広がりを与えていました。

ハーモニーのような掛け合い


岩田と紡木の掛け合いは本作の魅力。ボケとツッコミの構造を持ち、成瀬の突飛な行動に対して島崎の冷静なツッコミが絶妙なテンポで続く様子は、まるで漫才のよう。自然な笑いが生まれる理由は、二人の相性の良さにあります。成瀬の行動が島崎に影響し、共に成長していく様子が、彼女たちの会話の中にじんわりとした感動を生み出していました。

梅田修一朗のリアリズム


梅田が演じる西浦は物語の中で最も“普通な”キャラクターですが、その演技は普通でありながらも深みを持たせています。成瀬の個性に衝撃を受けつつ、彼自身の心の葛藤を重層的に描いたその表現には、リアルさが息づいていました。成瀬とのやり延びる中での言葉や間の成り行きの変化が観客に伝わり、静かな感動を与えていました。

演出の魅力


演出を手掛けたのは野坂実。彼はリアリズムを巧みに取り入れ、声だけで物語を構築するという朗読劇の特性にマッチした演出を展開。台詞の間や呼吸の流れ、キャラクター同士の距離感がリアルな学生たちの青春を描き出しています。さらにオリジナル音楽も、物語のムードを盛り上げ、観客を引き込む要素となっています。

最後のアフタートークでは、出演者たちが公演の振り返りやキャラクターへの思いを語り、共感と笑いにあふれた楽しい時間を過ごしました。観客の拍手に包まれ、彼らの挑戦が伝わった瞬間でした。

今回の朗読劇『成瀬は天下を取りにいく』は、友情と成長をテーマに描くストーリーが、声の力によって鮮やかなドラマとして立ち上がりました。観客に深い感動を届ける公演は、終演後も多くの人の心に残り、多くの勇気と刺激を与えました。


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