沖縄の建築文化を探る『沖縄島建築建物と暮らしの記録と記憶』が第6回沖縄書店大賞受賞

沖縄の建築文化を映す一冊

2019年に発刊された『沖縄島建築建物と暮らしの記録と記憶』が、今年の第6回沖縄書店大賞の沖縄部門で準大賞を受賞しました。この本は、沖縄の多様な建築様式を探求し、地域の人々の生活や文化を深く掘り下げる内容となっています。

この書籍は、《味なたてもの探訪》シリーズの一環であり、沖縄の木造建築やコンクリート建築、さらには赤瓦やセメント瓦など、多様なスタイルが融合した沖縄の建築の歴史を豊かに表現しています。著者は、戦前から戦後にかけての沖縄の建築物を10軒厳選し、その背景や文化的意義を詳細に記述しています。このような内容は、普段目にするガイドブックとは一線を画し、より深い知識と感動を読者に提供します。

戦前から戦後の建築物を取材

本書では、現存する戦前の建築物から、戦後のアメリカ文化の影響を色濃く受けた建築までが取り上げられています。特に、戦後の沖縄における建築様式の変化は、地域の歴史的変遷を反映しており、地域の商店や住環境とともに、沖縄の人々の暮らしを知る上で欠かせない要素となっています。

加えて、沖縄独特の建築意匠や地域の商店を紹介するコラムや、沖縄本島を4つのエリアに分けて見るべき建築を写真とともに専門的な解説で紹介したマップも収録されています。これにより、読者は沖縄の建築文化を画像を通して楽しみながら学ぶことができます。

バラエティ豊かな建築スタイル

『沖縄島建築建物と暮らしの記録と記憶』は、ただの建築に関する書籍ではなく、沖縄の生活文化や歴史を語るナビゲーターでもあります。木造建築から近代的な構造物まで、さまざまな価値観が凝縮された建物たちの記録は、沖縄という場所が持つ独自の魅力を再認識させてくれます。また、書中に掲載されている歴史的な建物の写真はどれも美しく、視覚的にも楽しめる内容です。

本書の発行元では、今後も《味なたてもの探訪》シリーズを継続していくとともに、さまざまな地域の文化や人々の生活をテーマにした書籍を発表していく意向です。気になる方は、ぜひ手に取ってその深い魅力を味わってみてください。