鏡リュウジが導く占星術で味わう西洋美術の魅力とは
2025年10月号の「芸術新潮」が9月25日に発売される。今回の特集のテーマは『鏡リュウジと占星術でめぐる西洋美術』。占星術研究家の鏡リュウジ氏が、伊藤博明氏と池上英洋氏という二人の専門家を迎え、ルネサンス美術を中心に、占星術がどのように美術に影響を与え、どんな神秘的な意味を持つのかを探る特集が展開される。
占星術と美術の興味深い関係
占星術は、天体の動きが人間の運命に影響するとされる古代思想に基づいている。特にルネサンス期には、芸術作品に占星術が取り入れられ、神々の蘇生を反映する形で華やかに展開した。占星術が非科学的とされる現在でも、17世紀までは知識人や政治家、教皇さえも魅了した深い学問であった。この特集では、占星術が美術に如何に絡みつき、隠された意味を描くかの解読がなされる。これまでにない視点から、西洋美術を楽しむガイドブックとして位置づけられる。
鏡リュウジ氏のナビゲート
鏡氏自身、占星術だけでなくその歴史と思想にも通じた博識な存在であり、独自の著作も多数出片してきた。特集の「はじめに」では、「美術に現れた星や占星術の図像は単なる天の描写ではない」と述べており、これが知的かつ美的な冒険であることを強調する。
2人の専門家との対談
特集の目玉は「天空の語らい」と題した対談だ。鏡氏が二人の専門家と共に、イタリア・ルネサンスのスポットを回りながら話を膨らませていく。伊藤博明氏はルネサンス思想と芸術論を専門にし、池上英洋氏は幅広い視点から古代ローマから19世紀までの占星術の世界を紹介。これにより、聴く人々はより深く占星術の魅力に引き込まれることでしょう。
名画から無名の傑作まで
対談では、ボッティチェッリやティツィアーノ、デューラー、フェルメールなどの巨匠の作品が取り上げられる。さらには、天空と地上の秩序を美しく描いたミニアチュールやフェッラーラにある月暦図など、知られざる名品にも焦点が当たる。約50点の作品を通じて、鑑賞者たちに新たな視点を提供する。
コラムも充実
特集には、鏡リュウジ氏が著作や考察を集約したコラムも収録されている。巨匠たちのホロスコープを基にした分析や、タロットの歴史を掘り下げた記事、アートと星座を結びつけたアート占いなど、実に多岐にわたる内容で、読みごたえがある。
鏡リュウジ氏のプロフィール
1968年生まれの鏡リュウジ氏は、占星術研究家としての顔を持つ他、アカデミックな立場でも活動しており、平安女学院大学、京都文教大学の客員教授を務める。多くの著書を通じて占星術の面白さや奥深さを広めている。
編集長の言葉
本号の編集長・高山れおなは、「芸術とは何か」を深く掘り下げながら、占星術の魅力を伝えている。特に、歴史的な視点から今なお続く占星術の影響力を考察し、古代と現代をつなぐ美の冒険に読者を誘う。さらに、特集内で紹介される作品や考察を通じて、占星術とアートの関係を追求する素晴らしい機会となるだろう。
結びに
『芸術新潮』の2025年10月号は、占星術と美術の交差点に立つ作品を紹介し、知識と美的感性を刺激する内容が盛りだくさんだ。この特集を通じて、西洋美術の新たな側面を発見し、古代の知恵と現代のアートの架け橋を体感してほしい。