アフリカにおける日本マンガの魅力とは？TICAD9シンポジウム開催報告

アフリカで広がる日本マンガの人気

2025年8月21日、パシフィコ横浜において「アフリカ諸国におけるマンガ産業とその市場について」をテーマとしたシンポジウムが開催されました。このイベントは、文化庁の主催で行われ、アフリカにおけるマンガ文化の現状や今後の展開について質疑応答が行われました。

このシンポジウムは、特定非営利活動法人映像産業振興機構（VIPO）が文化庁から委託を受けて実施した「国際文化交流・協力推進事業」の一環で、多くの参加者に恵まれました。特に、日本マンガに関心を持つアフリカの漫画家たちからの生の声を聞くことができる貴重な機会となりました。シンポジウムは日仏同時通訳が行われ、会場はほぼ満席という盛況ぶりでした。

シンポジウムの内容

シンポジウムには、著名な漫画家や研究者が参加しました。登壇したメンバーは、漫画家の赤松健氏、モロッコ出身のYounes El haroussi氏、カメルーン出身のJean Bindjouli氏などで、それぞれの視点からアフリカでのマンガ文化について語りました。特に、日本マンガとの出会いや、彼らがマンガ家を志した理由についてのトークは、参加者の共感を呼びました。

マンガ文化の違い

アフリカのマンガシーンとは、日本のマンガ文化とどのように異なるのか。赤松氏は、アフリカの漫画家が直面している経済的な課題や海賊版問題についても触れ、参加者たちと活発な議論が交わされました。日本のマンガがアフリカでどのように読まれているのか、さらには日本マンガの強みや、それがアフリカでどのように広まるのかなど、多岐にわたるテーマについて議論されました。

パネル展示との連動

シンポジウムとほぼ同時に行われたパネル展示も大きな注目を集めました。展示ブースでは、アフリカの漫画家たちの紹介や、彼らが描くストーリーの概要、アフリカ特有のマンガ文化についての展示が行われ、参加者たちは興味深くパネルを見つめていました。特に、セネガルの漫画家であるSeydina Issa Sow氏の作品は、訪れる人々の目を引く展示のひとつでした。

日本とアフリカの架け橋

今回のイベントは、日本のマンガ文化がアフリカへと広がりつつある現状を知る良い機会となりました。VIPOが運営する文化交流事業は、将来的に日本とアフリカの関係をより深め、文化的な交流を促進することを目指しています。今後もこうしたイベントが開催されることで、両地域の文化が相互に影響し合い、さらなる発展が期待されます。