手書きとデジタル時代における読書・筆記の関係を探る新たな研究成果

新たな研究成果が示す手書きと読書の重要性

日本紙パルプ商事株式会社が参加している一般社団法人応用脳科学コンソーシアムが運営する「手書き価値研究会」が、興味深い調査結果を発表しました。これは「筆記と読書の関係性を科学的に検証する調査」に基づくもので、特にデジタル化が進む現代における「書くこと」「読むこと」の習慣の変化とその影響について焦点を当てています。

調査の概要

調査は2025年の3月から8月にかけて、18歳から29歳の学生1,062名を対象にインターネット調査によって実施されました。この調査の目的は、若い世代における手書きとデジタルの使い分けやそれぞれの利点を明らかにすることです。

調査結果の要点

調査結果は、読書と筆記には強い関連性があることを示しています。具体的には、本や新聞・雑誌を読む習慣のある人は、さまざまな場面で書くことが多く、逆に頻繁に書く人は、読書時間が長い傾向にありました。このことは、日々のメモの取り方や読書が記憶力や思考力の向上に寄与していることを示唆しています。

講義内容の記録とその影響

興味深いことに、調査に参加した学生の10%は講義内容を一切記録しないと回答しました。また、記録する学生の中でも3割以上が最低限の内容のみを記録する傾向が見られました。紙と電子機器に関しては、おおよそ半数が紙を主体として使用しており、これは高校までの授業スタイルが影響していると考えられています。

さらに、この調査では記録した内容の量と質が記憶力に影響していることも分かりました。記録するスタイルがしっかりした学生は、記録しない学生に比べて国語問題での正答率が高く、特に記録することが文章理解において効果的な手法であることが確認されました。

読書習慣と学力の関係

日常的に本や新聞・雑誌を読むことは、学力や理解力向上において重要な要素であるという結果も得られました。読書習慣のある学生は、記録傾向が高く、論理的に考える力が育まれやすいことが示されています。読書時間の合計は、男性が高く、特に読書と筆記の両方を行う学生が高い成績を残していました。

デジタル時代の課題

調査結果によると、デジタル機器が普及した現在でも、手書きの重要性は依然として存在することが強調されています。多くの学生が電子機器を使用している一方で、書くことの質や量が学力に影響を与えていることが証明されました。この結果は、今後の教育方針や学習方法に大きな影響を与えることが予想されます。

日本紙パルプ商事の取り組み

日本紙パルプ商事はこの研究を通じて、手書きの価値やその効果を社会に広め、さらなる紙の価値向上に向けて活動を続けていきます。手書きの重要性を認識し、筆記と読書が持つ力を再評価することが求められる現代において、こうした研究は非常に意義深いものです。

この研究の詳細については、以下のリンクからご確認いただけます。

今後も、手書きの文化が次世代に継承されることを期待しています。