「霊感の譲り方」をテーマにした新感覚ホラーアンソロジーの魅力とは？

新感覚ホラーアンソロジー『■■謹んでお譲りします。』の魅力

講談社タイガが2025年9月12日に発売した新感覚のホラーアンソロジー『■■謹んでお譲りします。』が、早くも話題を集めています。本書は、ホラーというジャンルに新たな風を吹き込む作品で、「霊感」をテーマにした複数の物語が収められています。これまでのホラー作品では、霊が見えることを前提にしたものが多かったですが、『■■謹んでお譲りします。』は「霊感そのもの」に焦点を当て、これを新たに再解釈しています。

霊感は呪い？

本書の執筆陣が描くのは、霊感を持つことが必ずしも幸福でないという視点です。「見えない人生が良かった」「霊感を持たなければどれほど楽だったか」といった声が象徴するように、霊感は一種の「呪い」とも捉えられるのです。もし、この霊感を他者に譲ることができるとしたら……？果たしてそれは、悪意をもって受け渡すことが許されるのでしょうか。この問いかけから生まれる物語が、本書の最大の魅力です。

特設サイトのミステリー

注目すべきは、刊行前にオープンした特設サイトです。文字化けした内容のページが印象的で、「お名前を入力してください」とだけ表示されています。勇気を振り絞って送信を試みると、一体何が起こるのか。興味がある方は、ぜひ挑戦してみて欲しいです。

執筆陣の個性的な物語

本書には、ホラー小説界の最前線で活躍する才能が一堂に会しています。以下に、作品のいくつかをご紹介します。

「ギニーピッグの瘡蓋」梨

この物語は、ホラー映画を扱う職場での黒服として働いていた「私」の経験を元にしています。そこで語られる「幽霊を殺すフィルム」の謎に迫ります。

「じゃんけんちゃん」朝倉宏景

レオという友達との出会いを通じ、ファストフード未体験の「けんちゃん」が提案する恐ろしい目的とは？

「にこにこ」和田正雪

限界を感じた売れないライブアイドルのミオリが、霊感キャラのマリカに相談を持ちかける。しかし、その霊感アイドルの実態は、彼女の想像とは大きく異なるものだった。

「観察記録」八方鈴斗

愛する妻を亡くした浜浦が死者とつながる手段として霊感に頼る様子を描きます。罪悪感と愛、そして悲劇が複雑に絡み合います。

「いないのと同じ」尾八原ジュージ

黒い玉を通じて手に入った霊感が引き起こす恐怖、そして不慮の事故による同級生の死を巡る物語です。

まとめ

『■■謹んでお譲りします。』は、ただのホラーアンソロジーではありません。霊感の譲り合いという新たなテーマから生まれた物語が集結しており、読者に新しい恐怖の形を提示しています。気になる方は、講談社タイガの特設サイトや書籍をぜひ手にとってみてください。これからのホラー小説界において、本書が大きな話題を集めることは間違いないでしょう。