ベーゼンドルファーグランドピアノ『The Great Wave off Kanagawa』
2024年4月1日、株式会社ヤマハミュージックジャパンが新たに発売するグランドピアノ『The Great Wave off Kanagawa(神奈川沖浪裏)』が話題を呼んでいます。この限定モデルは、江戸時代の浮世絵師、葛飾北斎の名作をモチーフとし、全世界でたった16台のみが製造されます。
北斎の浮世絵を具現化したデザイン
『The Great Wave off Kanagawa』の最大の魅力は、何と言ってもそのデザインです。ピアノの屋根の内側には、北斎の代表作である「神奈川沖浪裏」が精巧に描かれています。この作品は、浮世絵の中でも最高傑作とされ、多くの人々に愛されてきました。その鮮やかな色彩テーマを引き継ぎ、ピアノの側板内側や椅子のクッションには美しいプルシアンブルーが施されています。さらに、ピアノのフレームや譜面台には赤色で北斎の署名が施されており、日本の文化における赤の特別な意味が込められています。赤は太陽や邪気を払う色としても知られており、このピアノに一層の魅力を与えています。
職人の技が光る極上の音色
このピアノは、ベーゼンドルファーの人気モデルであるVCシリーズ「214VC」をベースに制作されており、オーストリアの熟練した職人による手作業で丁寧に作り込まれています。ピアノのすべてのチューニングピンには独立した弦が張られ、「総1本張り」の手法が用いられています。これにより、音程の安定性が向上し、低音部の弦には手巻きの巻き線が使用されて、より豊かな響きを実現しています。また、楽器全体の80%以上には高品質なスプルース材が使用され、独特の「ウィンナートーン」と称される温かい音色と煌びやかな響きが生まれます。
自動演奏機能で音楽を楽しむ
『The Great Wave off Kanagawa』は、ディスクラビア・エディションとしても展開され、自動演奏機能が搭載されています。これにより、クラシックやジャズなど、1000曲以上の楽曲を手軽に楽しむことができます。さらに、歴史的な演奏データも内蔵されており、ヴィルヘルム・バックハウスやアルトゥール・ルービンシュタインといった著名なピアニストの演奏を再現できます。これにより、ただの楽器を超えた、まさに音楽の体験が広がります。
大阪・関西万博での展示
このピアノは、2025年に開催される日本国際博覧会(大阪・関西万博)のオーストリアパビリオンにおいて、4月13日から10月13日まで展示される予定です。1828年に創業したベーゼンドルファーは、オーストリアの音楽文化を象徴するピアノメーカーであり、今回のモデルはウィーンの音色と日本文化の融合を体現しています。
まとめ
グランドピアノ『The Great Wave off Kanagawa』は、葛飾北斎の名作を取り入れたデザインと、オーストリアの職人による高度な技術が融合した結果生まれた逸品です。このピアノを手にすることで、音楽だけでなく文化も楽しむことができる一台となっています。ぜひ、その美しさと音色に触れてみてください。