スポーツベッティングと日本の未来
スポーツ賭博が世界中で急速に広がっている中、新潮新書『スポーツと賭博』が10月17日発売されます。本書では、この現象について深く掘り下げ、日本における賭博の法律や文化とその影響を考えます。
世界のスポーツベッティング市場
2022年のデータによると、世界のスポーツベッティング市場の規模はおよそ13兆円に達します。この市場は年平均で10%以上の成長を続けており、特にアメリカではその勢いが顕著です。今後、2030年には大阪IRの開業を控える日本では、この流れにどう対応していくべきかが喫緊の課題となっています。
日本は他の先進国に比べ、賭博に対して厳格な法律制度を持つ国です。「賭博罪」によって大半の賭博が禁止されている一方で、実際にはオンラインで賭博に興じる人々が300万人を超え、その掛け金は1兆円を超えています。この現実にどのように向き合っていくのかが本書で取り上げられています。
スポーツと賭博の関係
本書では、賭博によって変わりつつあるスポーツの姿が紹介されています。特にアメリカのNBAにおいては、ベッティングサイトとの提携が進むなど、スポーツ業界の姿勢が劇的に変化しています。ESPNも独自のベッティングサイトを立ち上げるなど、賭博とスポーツの融合が進行しています。また、かつてスポーツとは無縁だったラスベガスが、今や主要なスポーツイベントの中心地へと進化している事例も紹介されています。
このような賭博との関係には光と影があります。賭博の普及は経済的な利益をもたらす一方で、依存症や八百長などの問題も引き起こしています。しかし、賭けたいという人間の欲望は無視できないため、世界各国はこの現実に対してどのように対処しているのかが詳しく解説されています。
日本の対応策
『スポーツと賭博』では、日本が抱える問題も深く掘り下げられています。日本の賭博禁止の法律がどのように影響を及ぼしているのか、また大阪IRの開業に向けてどのような準備が必要なのか。著者の相原正道氏は、スポーツビジネスの現場での経験を活かし、現状の課題を明確にしつつ、今後の展望を提言しています。
相原氏は大阪経済大学の教授であり、スポーツビジネスに関する第一人者でもあります。彼の知見により、これまでの類書にはない視点から、スポーツと賭博の関係を明らかにしています。賭博がスポーツをどう変えるのか、また日本の未来について考える機会をぜひ本書を通じて得てください。
書籍情報
- - タイトル: スポーツと賭博
- - 著者: 相原正道
- - 発売日: 10月17日
- - 価格: 968円(税込)
- - ISBN: 978-4-10-611104-4
- - URL: 新潮社
本書は、スポーツの未来を考える上でも重要な一冊です。スポーツ賭博に興味のある方、知識を深めたい方には必携の書となることでしょう。