クリスマスの定番絵本『ルドルフ赤鼻のトナカイ』の全訳版が登場！

クリスマスの情緒あふれる絵本『ルドルフ赤鼻のトナカイ』

2025年10月23日、世界文化社から発売されるのは、伝説的な絵本『ルドルフ赤鼻のトナカイ』の全訳版です。この絵本は、1939年にアメリカで誕生し、現在でも世界中で愛され続けている「赤鼻のトナカイ」というクリスマスソングの原案となっています。特にこの時期、クリスマスムードが高まる中で、ぜひ手に取りたい一冊です。

物語の誕生背景

「赤鼻のトナカイ」といえば、毎年クリスマスに欠かせない名曲ですが、その根本にある物語は、実はひとりのコピーライター、ロバート・L・メイが書いた絵本に由来しています。メイは1939年、デパート「モンゴメリー・ワード」に勤務していたとき、愛する妻が病気で寝込む中、幼い娘のためにこの物語を執筆しました。彼の願いは、娘に「他の子と違うことは特別であること」というメッセージを伝えることでした。

当時、無料配布されたこの絵本は瞬く間にヒットし、何百万部も売り上げることになりました。まさに、ルドルフとその赤い鼻の光が、心の奥深くに灯る希望を象徴しているのです。

希望と個性の物語

物語の主人公は、赤い鼻を持つトナカイ、ルドルフです。彼はその特異な外見ゆえに友達からからかわれて孤独を感じていました。しかし、優しい心の持ち主であるルドルフはプレゼントを夢見ながら夜を迎えます。その夜、濃い霧が立ち込め、サンタさんは視界のない中でプレゼントを届けるのに苦労します。

そんな時、サンタさんは明るく輝くルドルフの赤い鼻に気付きます。この出会いが物語の大転換点となり、ルドルフの個性がクリスマスを救う鍵となります。このように、周りから仲間外れにされていた小さなトナカイが、実は大切な存在であるというメッセージは、世代を超えて多くの人の心に響き続けています。

絵本の特徴

今回発売される全訳版は、1939年に配布された初版と同じイラストを使用しており、正真正銘のオリジナルを忠実に再現しています。訳を手がけた中井はるの氏は、この物語が広く親しまれることを願っており、彼女自身の調査も反映されています。この絵本が届けるのは、ただのストーリーだけではなく、希望と思いやりの気持ちでもあるのです。

著者たちのプロフィール

- ロバート・L・メイ：1905年にアメリカで生まれ、絵本作家として「ルドルフ赤鼻のトナカイ」を記した。彼の心情がルドルフに込められています。
- デンバー・ギレン：1940年代にこの絵本のためのイラストを描いたアーティスト。ルドルフの光る鼻は、メイの娘が好きだったトナカイをモデルにしたと言われています。
- 中井はるの：翻訳家であり多くの著書を持つ。彼女はこの物語を通じて、子どもたちへ勇気と希望を届けることを目指しています。