株式会社ニュウジアとViduが手を結ぶ
株式会社ニュウジアが、生成動画プラットフォーム「Vidu」を開発・運営する生数科技(Shengshu Technology)と業務提携契約を結んだ。この提携により、ニュウジアはViduのエンタープライズ専用AIエンジンを国内の企業向けに提供する「NIUSIA AI STUDIO」を展開することとなる。
生成AIのニーズと問題点
近年、映像制作の現場では、質の高い映像を短期間で大量に生産することが求められている。一方で、多くの企業が直面している課題には、プロンプト操作の煩雑さや、キャラクターやブランドの一貫性を保つことの難しさがある。また、著作権や情報管理に関する懸念も無視できない。しかし、ニュウジアはこれらの課題を解決し、企業が「創造に全集中」できる環境を整えることを目的としている。
Viduの導入による市場への影響
Viduを導入することで、企業は従来の映像制作に比べて、最大70〜90%のコスト削減が可能になるという。実際に、Viduの技術はソニー・ピクチャーズの作品『Venom: The Last Dance』の映像制作に利用され、これまで2か月かかっていた制作期間をわずか1週間に短縮した。
中小企業とハリウッド品質
これまで、ハリウッド品質の映像制作は大企業だけの特権だったが、Viduの導入により中小企業でも手の届く価格で可能となる。プロンプト操作不要のワークフロー設計により、専門的な知識がなくても高品質な映像を量産できる環境が提供される。
日本の動画コンテンツ市場の展望
日本国内の動画コンテンツビジネス市場は2024年度には約1兆円規模に達すると予測されており、企業の動画マーケティングや社内コミュニケーションにおける映像サポートの必要性は急速に増加している。 Viduはこの成長市場に対し、より効率的かつ高品質な映像制作ソリューションを提供すると期待されている。
提携の利点
1.
プロンプト不要のワークフロー設計
ニュウジアは企業の要望をヒアリングし、テンプレート化された生成設定を用意。素材やナレーションを簡単に投入できる。
2.
エンタープライズ専用AIエンジン
企業向けに高精度AIエンジンを使用し、業務品質の映像制作を実現。
3.
キャラクター・ブランドの一貫性保持
Viduの「Reference2Video」技術により、最大7枚の参照画像を使って同一キャラクターを高精度で再現する。
4.
API連携によるシステム統合
ViduのAPIを活用し、社内システムとの自動連携が可能。
5.
多様な映像生成
長尺動画やアクションシーンなど、動きの滑らかさに優れた制作を提供。
Viduの国内外での成長
Viduは、2023年の創業からわずか2年で世界200カ国以上で展開しており、100日で1,000万人以上のユーザーを取得、累計生成本数は3億本を超える。技術力の高さと生成スピードが世界的に評価され、多くの企業に利用されている。
ニュウジアの未来へのビジョン
株式会社ニュウジアの代表取締役、柏口之宏氏は「この提携は、日本の映像制作業界にとっての歴史的な転換点です。一部の大企業だけが享受していたハリウッド級の映像制作が、中小企業や個人事業主にも手が届く時代が到来しました」と述べ、その重要性を強調している。日本の創造力を引き出すため、Viduを日本市場に最適化して提供することに全力を注ぐという。
最後に
今回の提携により、AI映像生成技術は新たな段階に入り、日本の映像業界の未来を一新する可能性を秘めている。これからの映像制作がどのように変化していくのか、目が離せない。