ANIMINS中間報告会における成果発表
2025年9月17日、AI Mage株式会社の代表である張鑫氏が、オー・エル・エム・デジタルが実施する「ANIMINS」事業の中間報告会に登壇しました。この会は、経済産業省および国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が後援するプロジェクトの一環として開催され、多くの業界関係者が注目を集めました。
張氏は、AI Mageが提供する「参考図検索エンジン」を活用したアニメ制作現場の効率化に関する取り組みについて発表しました。また、株式会社トムス・エンタテインメントの竹村逸平氏によるライブデモンストレーションが行われ、実際のプロダクトを通じてその効果を実証しました。
ANIMINSプロジェクトの概要
ANIMINS(アニミンズ)は、アニメ制作現場におけるAI活用の可能性を探求するプロジェクトです。このプロジェクトでは主に二つの観点から調査が行われています。第一に、制作工程における原画から動画、仕上げまでの作業プロセスにおけるAIの利用です。第二に、AIによるキャラクター描画支援の方法についても調査が進められています。
AI Mageは、このプロジェクトに参加することにより、アニメ制作現場でのAI活用の実証を推進してきました。この中核となるのが「参考図検索エンジン」です。
参考図検索エンジンとは
この検索エンジンは、過去のアニメ作品のカットを簡単に検索できるシステムで、制作現場における情報の迅速な参照を可能にします。特に、ユーザーが自然言語でイメージしたカットを即座に見つけられるため、制作プロセスの効率化に寄与しています。以下にその特徴を紹介します。
1.
AIによる自動タグ付け
- 作品のデータに基づき、AIが自動的に各カットにタグを付けることで、迅速な検索を実現。
2.
直感的な検索機能
- 使用者が探したいオブジェクトやキャラクターの状態を自然言語で記述することで、素早く目的のカットにアクセス可能。類似画像による検索もできるため、表現が難しい場合も対応。
3.
ワンストップでのシェア機能
- 参考カットが見つかれば一括で共有するためのフォルダが簡単に作成でき、時間の節約が可能。
4.
データの登録による精度向上
- 台本や香盤表を追加することで、AIの検索精度が向上。
利用者の声
この報告会では、ANIMINSプロジェクトに参加している株式会社オー・エル・エム・デジタルの四倉達夫氏が、制作の実務上での負担軽減についてコメント。
「特にTVアニメ制作では、膨大な資料から必要な情報を抽出する作業は大きな負担でした。しかし、AI Mageと連携することで要望が即座に検索エンジンに実装されていることに感動しています」と語りました。
また、トムス・エンタテインメントの竹村氏も、「新たな制作人員がプロジェクト参加の際に直面する資料共有の負担を大幅に軽減できる素晴らしいツールだと感じています」と期待を寄せています。
今後の展望
AI Mageは、引き続き制作スタジオとの優れた協力関係を気付いていきながら、各社からのフィードバックを重視しつつ、「参考図検索エンジン」のさらなる改善と精度向上に努めていく意向を示しました。これにより、アニメ制作現場の課題解決に向けた取り組みを進めていく予定です。
最後に
AI Mageは、2024年に設立されたスタートアップであり、「物語を通じて人々に希望と勇気を届ける」というミッションを掲げています。アニメ制作の効率化を目指し、今後も進化を続けるAI技術を活用し、業界全体の抱える課題の解決に挑んでいきます。AI Mageでは仲間を募集中です!