朗読劇『成瀬は天下』
2025-09-16 15:48:54

朗読劇『成瀬は天下を取りにいく』公演レポート!魅力あふれる三日間の成瀬ファン必見

朗読劇『成瀬は天下を取りにいく』公演レポート



2025年9月13日から15日まで、朗読劇『成瀬は天下を取りにいく』が草月ホールで上演されました。本作は、シリーズ累計150万部を記録し、本屋大賞を受賞した宮島未奈氏の小説を原作とし、成瀬あかりという女子高生が自らの道を切り開く姿を魅力的に描き出しています。

舞台の魅力


本公演は、成瀬シリーズの最新作を含む三部作の第1作に焦点を当てたもので、成瀬が親友の島崎と組んだお笑いコンビ「ゼゼカラ」の解散宣言から物語が始まります。この構成により、各登場人物が過去の印象的なエピソードを回想しながら、観客を物語の深層へと誘います。朗読劇という特性を生かし、声の間合いや音楽、照明の連携を巧みに操り、「聴く」という体験を豊かにしていきました。

特に注目すべきは、作中で各公演ごとに設けられるオリジナルポーズ「膳所から世界へ!」。これはキャストがそれぞれ成瀬のキャラクターに寄り添いながら創造したものであり、日替わりキャストが持つ独特の空気感が魅力となりました。

各日の公演レポート


9月13日(土)「圧倒的な実在感で魅せる表現」


初日の公演では、岩田陽葵が演じる成瀬あかりが鮮やかなエネルギーを放ち、抑えきれない好奇心とまっすぐな感情が舞台全体に漂いました。彼女の表現は観客を惹きつけるもので、特に感情が高まる場面ではトーンの緩急が巧みに扱われ、観る者の心に響きました。

また、紡木吏佐が演じる島崎みゆきは、自然な笑いを交えた語り口でコミュニケーションを豊かにし、登場人物の親しみやすい一面を引き立てていました。梅田修一朗の西浦航一郎は、朴訥な人柄で成瀬への理解を深め、全体のバランスを保つ役割を果たしました。各キャスト間の感情の変化が豊かに伝わり、初日から素晴らしいプレゼンテーションとなりました。

アフタートーク


公演後のトークセッションでは、出演者たちが演出の意義や朗読劇特有の即興性について語りました。「同じ台本でも、日ごとに異なる空気が生まれるのが朗読劇の魅力」との言葉には、緊張感と自由が共存する本作の深い側面が映し出されていました。

9月14日(日)「卓越した演技力で実現した原作そのものといえる存在感」


2日目は安済知佳が成瀬を担当し、その存在感は圧倒的でした。堅みのある芯と柔らかさを併せ持つ演技で、観客は彼女の言葉に引き込まれました。「この夏を西武に捧げる」という台詞が印象的で、内に秘めた信念が自然と表れる瞬間を見せ、観客の心に届きました。階級を代表するキャラクターたちが見事に描かれ、物語に深い感情を注ぎ込みました。

アフタートーク


アフタートークでは、安済が舞台の空気感が本番で初めて身体に入ってくることについて語り、共演者も本番ならではの感情の変化に気づいたと話しました。舞台上の相互作用を通じて、作品にさらなる深みをもたらす様子が印象的でした。

9月15日(月・祝)「朗読劇の枠を超えた演劇的な臨場感」


最終日、若山詩音の成瀬は力強さと微妙な感情を持っており、彼女の表現は聴くものに深く響きました。青木陽菜演じる島崎の存在は、成瀬の悩みを共にしながらも支える親友としての役割を果たし、石谷春貴の西浦は、内面の静かな憧れを巧みに表現しました。

この日もアフタートークが行われ、石谷が初めて顔を合わせたことで新たな空気感が生まれたことを話し、観客との距離が縮まる温かい時間となりました。

結論


今回の朗読劇『成瀬は天下を取りにいく』は、キャストの演技力と演出が見事に組み合わさり、観客に深い感動を与えました。日替わりキャストは、それぞれが物語に新たな息吹を吹き込むことで、舞台の臨場感と新鮮さを保ち続けました。多層的な感情の描写は、観客の心に記憶を残す“生きた物語”として、非常に評価されました。これからも成瀬シリーズの展開に期待が高まります。


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