1月17日、東京・有明ガーデンシアターで開催された「KIYOSHI HIKAWA+KIINA. 25th Anniversary Concert Tour ―KIIZNA―」は、氷川きよしの25年間の音楽活動を祝う、感動的な一夜となりました。このコンサートには、6500人のファンが駆け付け、盛大な歓迎の中でスタートしました。
この特別な公演は、昨年の台風により延期されていたもので、氷川にとっての復帰ステージでもありました。彼は2022年12月のコンサートを最後に無期限の活動休養に入っていましたが、昨年8月に約1年8か月ぶりにステージに立ち、多くの注目を集めました。
オープニングナンバーに選ばれたのは「WALK」。氷川は、スワロフスキーがあしらわれた黒の燕尾服で登場し、客席からの大きな歓声を浴びました。彼は自ら作詞を施した楽曲を美しい声で歌い上げ、「今日は思い切り楽しんでください」と笑顔でファンに呼びかけました。
続いて、白の燕尾服に着替えて披露した「歌は我が命」では、歌い続ける意志を力強く表現しました。故郷からの旅立ちを描いた「出発」や人気曲「星空の秋子」「男の絶唱」、さらにはファンに愛される「きよしのズンドコ節」を立て続けに歌い上げ、会場はペンライトの光で満ち溢れました。スクリーンに映し出された氷川のメッセージには、彼の音楽への思いが真摯に込められていました。
年末の「紅白歌合戦」で着用した白紋付黒袴に姿を変え、「ちょいときまぐれ渡り鳥」を歌った際には、親友の彦摩呂が登場。二人の思い出話に花を咲かせて、客席は笑顔に包まれました。さらに「白雲の城」では、幻想的な演出と共に圧巻のパフォーマンスを披露し、観客はまさに“氷川劇場”の世界へと引き込まれました。
ステージは続き、衣装をダメージデニムに変えた氷川はサプライズゲストの木根尚登と共にTM NETWORKの「SEVEN DAYS WAR」を披露。その流れで新曲「はじまり」も初公開しました。氷川の思い出を基にしたこのバラードは、聴く者の心を震わせました。続いて、木根とのセッションで「FATHER」や「生まれてきたら愛すればいい」を歌い、二人の息のあったパフォーマンスに会場は温かい拍手で包まれました。
アンコールでは、氷川がドレススタイルで登場。1曲目はクイーンの名曲『ボヘミアン・ラプソディ』の日本語カバーを披露し、続けて力強いロックナンバー「雷鳴」を歌い上げます。特に「キニシナイ」では、客席にカラーボールを放ち、ファンとの距離を縮めるパフォーマンスも。クライマックスに「限界突破×サバイバー」を演唱し、最終曲「碧し」ではファンへの感謝の気持ちを込めて歌い、約3時間のコンサートは感動的なフィナーレを迎えました。
この日の模様は、1月31日から全国公開される「劇場版氷川きよし KIYOSHI HIKAWA+KIINA. 25th Anniversary Concert Tour KIIZNA」にも収録され、舞台裏の様子やミュージシャンとしての真摯な姿が明らかになります。また、ファン待望の特典映像がついたDVD+CDが3月26日より発売されることも発表されました。さらに、新オフィシャルファンクラブ「KIINA’S LAND」も設立され、氷川きよしの将来に向けた新たなスタートを感じさせるコンサートでした。