新刊情報:『日本の現在地から読み解く「太平洋戦争」』
2025年7月11日、株式会社有隣堂より新刊『日本の現在地から読み解く「太平洋戦争」』が発売されます。本書は、日本の社会状況と照らし合わせて太平洋戦争を考察するための一冊です。著者はノンフィクション作家の保阪正康氏で、3,000人以上の戦争体験者への取材を基にした内容をお届けします。
太平洋戦争の新たな視点
戦後80年の節目を迎えた今、太平洋戦争はもはや記憶の中の出来事ではなく、学び直しの対象として重要な位置を占めています。本書では、過去の証言や資料をもとに、私たちがどのようにこの歴史を理解し、未来に生かすことができるのかを考察しています。現代の日本が抱える様々な問題とも関連づけ、冷静な視点で読み解きます。
使用する資料と証言
保阪氏は、長年にわたって戦争体験者の声を収集し、多くの資料を研究してきました。彼の取材活動は、単なる歴史的事実の羅列ではなく、そこにいる人々の思いや苦悩を映し出します。著者は、こうした記録を通じて、現代に通じる教訓を抽出することを目指しています。
目次の概要
本書は6つの章で構成されており、それぞれ太平洋戦争の歴史を段階的に追いながら、重要なトピックに焦点をあてています。
- - まえがき:歴史として向き合う「太平洋戦争」
- - 第一章:太平洋戦争への道を理解する
- - 第二章:軍部の台頭と国民の支持
- - 第三章:対米開戦はいかに決定されたのか
- - 第四章:太平洋戦争の三年八ヶ月余を整理する
- - 第五章:東京裁判は、なぜ、何を裁いたのか
- - 第六章:戦争指導者の意識構造──「東條英機」を中心に
- - あとがき:『昭和一〇〇年』に想う
重要な教訓
特に注目したいのは、第五章での東京裁判を通じた戦後の評判と教訓です。判決から60年経過した現在、当時の資料に基づき新たな視点で考察することで、歴史の正当性や不正義に対する理解が深まるでしょう。
保阪正康氏の経歴
保阪正康氏は1939年生まれの現代史研究家で、多数の著作を有している著名な作家です。彼の研究は、個人に焦点を当てた証言と厳密な資料研究によって成り立っています。受賞歴も多数あり、特に『ナショナリズムの昭和』は世間の注目を浴びました。
書籍の詳細
- - 書名:『日本の現在地から読み解く「太平洋戦争」』
- - 著者:保阪正康
- - 出版社:有隣堂
- - 定価:1,540円(税込)
- - 発売日:2025年7月11日(金)
- - 体裁:四六判並製・本文184頁
- - ISBN:978-4-89660-258-6
本書は、歴史を学ぶことの重要性を再確認させてくれる内容となっています。当時の出来事が現代にどのように影響を及ぼしているのかを考える良い機会となるでしょう。多くの方々に手に取っていただき、思索を深めていただければ幸いです。