MaRIが語る新EP『Trophy Bitch』の全貌
10月15日、フィメールラッパーMaRIの新EP『Trophy Bitch』がリリースされた。この作品のリリースを記念して、MaRIへのインタビューを行い、彼女の音楽や制作に対する思いを深掘りした。
EP『Trophy Bitch』の背景と意義
今作は彼女の“Bad Bitch”な一面を強調するラップ、アフロビーツを取り入れた心地よいトラック、そしてメッセージ性の強いR&Bなど、多彩な音楽が詰まったものになっている。特に、横浜アリーナ公演を控え話題沸騰中のアーティストLANAや、シンガーIllnanaの参加が話題を呼び、MaRIのファン層がさらに広がることは間違いない。
「Trophy Bitch」というタイトルには、特別な意味が込められている。もともと、ある曲の中で使われているこの言葉は、恋愛における女性の役割を示すもの。MaRIの言葉を借りると、「男の人が自分の地位を上げるために選ぶ女性像」を表わしている。彼女は「Bitch」という単語が持つ異なる解釈についても触れ、悪い意味だけでなく、カッコいい女性像をどう捉えるかを語った。
ジャケット写真とそのコンセプト
EPのジャケットは非常に攻めたビジュアルで、多くの注目を集めている。MaRIはこの写真について「男に支配されない強い女性」というイメージを持って制作したと語る。彼女の意図は、ただカッコいいだけでなく、強さをも表現するものだ。
制作へのアプローチ
今回の作品で重要なのは、プロデューサーのJAZEE MINORとのディスカッションから生まれるインスピレーションだ。曲を作る際、MaRIはあらかじめテーマを決めるのではなく、普段の会話から良いアイデアを引き出していくスタイルを取っていると言う。この方法で生まれた曲は、自然体である反面、聴き手の心を強く打つものになっている。
特に、アフロビートを取り入れた「Not Your Mama」は、LANAとのコラボによって新たな挑戦として注目されている。初めてアフロビートに挑むLANAとのコラボに関しても「お互いの新鮮な感覚が合わさり、非常に良い曲ができた」と喜びを語った。
多様なスタイルへの挑戦
前作『PENTHOUSE』の重厚感あるトラックから一転し、今作にはより多様な音楽スタイルが取り入れられている。MaRIは新しいスタイルに対する難しさも感じたものの、「やってみてダメなら出さない」と信念を貫いた結果、色々な歌い方を試み、豊かな表現を獲得した。
特に彼女のお気に入りとなった「Alright」では、自身の新たな側面を見せたく、自分とは異なるスタイルで歌ったという。この新しい側面を掘り下げることにより、結果として豊かな音楽表現が生まれたと感じている。
コラボレーションの背景
Illnanaとのコラボも強力なトラックの一環であり、MaRIは彼女の歌声が曲に最も合うと判断して起用したという。お互いに響き合う声で作られたこのコラボによって、「Trophy Bitch」はさらに深みを増すことになった。
強い女性像を求めて
音楽を通じて、「強い女性」を描くことが一つのテーマだと語るMaRIだが、その背景には多くの女性が持つ現実も見据えている。彼女は聴く人が「負けない」と感じられるような、力強いメッセージを届けたいと強調した。
結論
MaRIは現在、強い女性像を打ち出しながらも、赤裸々な心の内も表現できるようになったと感じている。これからも彼女はさまざまな挑戦を続け、自身のリアルな体験を音楽に表現していくことを誓った。これにより、彼女は今後の音楽シーンにおいても重要な存在であり続けるだろう。