『会社四季報夏号』が示す2025年の業績予測とトランプ関税の影響

株式投資のバイブル『会社四季報夏号』の発表

株式会社東洋経済新報社が発行する企業情報誌『会社四季報夏号』が、2025年6月18日に発売されます。本書は、上場企業について詳細な取材を行い、業績予測を独自に提供するもので、投資家にとっては欠かせない情報源となっています。今号では、特に米国トランプ元大統領の関税政策についての影響を総力取材しており、投資戦略の検討材料として注目されています。

会社四季報の信頼性と伝統

『会社四季報』は1936年の創刊以来、毎年4回発行され続けてきました。最新号では、国内の証券取引所に上場する約3900社に関するデータが掲載され、業績予想や財務情報とともに株価チャートや所在地、従業員数などの多様な情報を提供しています。この膨大な情報は、株式投資を行う上でのバイブルと言えるでしょう。

トランプ関税の影響を探る

今号における注目のポイントは、トランプ元大統領の関税政策が企業業績に与える影響です。特に輸出産業に焦点を当てており、記事内では「関税」という言葉が400社以上にわたって言及されています。この関税の影響を踏まえた結果、全業種（金融業を除く）の予想営業利益は前期比で3.0%の減益が見込まれています。

製造業では0.7%の減益が予想され、非製造業はさらに大きく5.7%の減益が見込まれています。この背景には円高や中国経済の減速、さまざまなコスト増が影響しています。

減益、増益の業種分析

特に影響を受ける業種としては、輸送用機器や鉄鋼、海運業が挙げられ、トヨタ自動車やホンダ、日産自動車などが大幅な減益を計上する見込みです。一方で、食料品や繊維製品、硝子・土石製品などは増益が見込まれており、円高による仕入れコストの低下や値上げ効果が好影響を及ぼすでしょう。具体的には、キリンホールディングスや大塚ホールディングスが順調な業績を示しています。

株主還元の動向

さらに今号では、増配または増配の可能性がある企業が1774社に上ることが報告されています。特に「DOE」（株主資本配当率）に関しても約100社が言及されており、約60社が「累進配当」に関する情報を含んでいます。これは、企業が株主還元に対して積極的な姿勢を持っていることを示しており、投資家には朗報と言えるでしょう。