地域と文化の交流拠点としての「TOSHOP」
日本出版販売株式会社(以下、日販)は、公共図書館内で本や文具雑貨、地域特産品を販売する新たな取り組み「TOSHOP」を、株式会社図書館流通センター(以下、TRC)と共に開始することを発表しました。このショップは、図書館にただ本を借りる場所という役割を超え、地域の人々が集い、交流し、文化を育むコミュニティセンターへと変貌を遂げることを目指しています。
「TOSHOP」の実証実験は、和歌山県海南市の日向市民交流施設「海南nobinos」にて2025年5月31日から、愛知県日進市の公立図書館にて同年6月28日から、そして石川県野々市市の「学びの杜ののいち カレード」にて7月下旬より行われる予定です。これにより、地域に根ざした文化的なハブとしての役割を果たすことが期待されています。
TOSHOPの目指す価値
日販はこれまでも、人と本を繋ぐ新しいスペースの提供を目指し、様々な書店モデルを展開してきました。例えば、入場料の発生する「文喫」や完全無人の「ほんたす ためいけ」など、独自の視点で書店の在り方を模索してきました。図書館も同様に重要な役割を担っており、多くの人々が訪れる場として、共有される文化の促進が求められています。
「TOSHOP」では、書籍に加え、文具雑貨や地元ならではの商材、日常品を取り揃え、利用者の利便性向上を図ります。また、図書館を訪れることが少なかった人々が足を運ぶきっかけとなり、結果として全国的な読書人口の増加にも寄与することを目指します。
実証実験の目的と特徴
実証実験の目的は、TOSHOPの運営を通じて持続可能性と拡張性を評価することです。特に図書館の大規模な投資や変更を行うことなく、既存の施設を活用して価値向上を達成できる店舗パッケージの開発が目指されます。
実験は、地域に根ざした図書館の特色を生かしつつ、様々な来館者層からのフィードバックを得ることで、運営方法や商品構成の最適化を図ります。実験期間は約半年間を予定しており、評価の結果次第では2026年度以降に本格的に「TOSHOP」を全国に展開する計画が進められています。
実証実験を行う図書館の概要
以下、実証実験の実施館について詳細をお伝えします。
TOSHOP 海南nobinos
- - 所在地: 和歌山県海南市日方1525番地6
- - 営業時間: 9:00-21:30(海南nobinosの開館日に準ずる)
- - 開始日: 2025年5月31日(土)
- - 公式HP: 海南nobinos
TOSHOP 日進市立図書館
- - 所在地: 愛知県日進市蟹甲町中島3番地
- - 営業時間: 平日9:00-20:00、土日祝9:00-17:00
- - 開始日: 2025年6月28日(土)
- - 公式HP: 日進市立図書館
TOSHOP 学びの杜ののいち カレード
- - 所在地: 石川県野々市市太平寺4丁目156番地
- - 営業時間: 9:00-22:00(カレードの開館日に準ずる)
- - 開始日: 2025年7月下旬予定
- - 公式HP: 学びの杜ののいち カレード
最後に
「TOSHOP」は、図書館が地域文化の中心的な場として機能することを目的にした新しい試みです。共に育む文化の場として、ぜひ地域の皆様にもご注目いただきたいです。この新しい取り組みが、どのように地域に影響を与えるのか、今から楽しみです。