新刊『二人の蔦屋』が語る「文化を届ける」意味
株式会社太田出版から、2025年9月18日(木)に発売される『二人の蔦屋 蔦屋重三郎と増田宗昭』が、早くも話題を呼んでいます。本書は、個々の時代を生きた二人の蔦屋、蔦屋重三郎と増田宗昭の物語を通して、文化を届けることの本質を探る内容となっています。
著者の川上徹也氏は、湘南ストーリーブランディング研究所の代表であり、物語とマーケティングの融合の第一人者として知られる存在。彼はこの新刊を通じて、時代や背景が異なる二人の蔦屋の生き様を詳細に描写し、どのようにして「文化を届ける」というテーマに迫っているのかを示しています。
蔦屋重三郎と増田宗昭の奇跡的な共鳴
蔦屋重三郎は、江戸時代の名版元として知られ、喜多川歌麿や東洲斎写楽といった偉大な芸術家たちを支えた人物です。一方、増田宗昭は現代において文化を広めるという重要な役割を果たしている蔦屋書店の創業者として知られています。二人の人生の物語は、一見すると異なるものに思えますが、実際には多くの共通点があります。
例えば、二人は共に幼少期の苦難を乗り越え、自らの手でビジネスを展開する道を切り開きます。増田は、色町で生まれ育ち、国立大学を経て貸しレコード店の経営者として飛躍します。蔦屋重三郎は、両親と別れ吉原で育った後、若干24歳で「貸本屋」を立ち上げ、商売の腕を見せつけました。このような背景が、二人の思考や行動に深い影響を与えています。
文化を届けるという問いの深化
本書では、二人の商売人としての姿、挫折、成功、そして文化を届けることの意味を丁寧に描写しています。特に、代官山蔦屋書店の再定義に関する部分は、近年のビジネスにおいても重要な示唆を与えてくれます。増田は、時代の流れに適応しながら革新を図る一方で、蔦屋重三郎は、江戸時代の商人の高い文化意識を持ち続け、その哲学を現代に伝えようとしています。
更に、川上氏は二人の人物像を通して、商売とは単なる利益追求ではなく、文化を届けることで社会に貢献する姿勢が必要だというメッセージを明確にしています。これは、今日の日本においても、ビジネスの本質を再考させる重要なテーマです。
書籍情報と購入方法
『二人の蔦屋 蔦屋重三郎と増田宗昭』は、全国の蔦屋・TSUTAYA書店や、Amazonなどのオンライン書店、電子ブックストアで入手可能です。定価は2,750円(本体2,500円+税)で、情報更新が頻繁に行われるので、購入を検討される方は各書店の最新情報をご確認ください。
本書は、文化への感度を高め、商業においても意義を見出そうとする人々にとって、必読の一冊です。ぜひ手に取って、彼らの物語を通じて「文化を届けること」の真意を考えてみてください。