第47回サントリー学芸賞、受賞者が決定!
2024年のサントリー学芸賞の受賞者が発表されました。この賞は、文化や社会について深い洞察を提供する著作物に対して贈られるもので、特に注目されるのは受賞作品の多様性です。受賞者は8名、各部門で独創的な研究や評論が評価されています。受賞者たちはそれぞれの分野において、社会における重要な問題に対する深い理解を持ち、先進的な視点を提供しています。
公益財団法人サントリー文化財団(理事長:鳥井信吾)が主催するこの賞は、1979年から続く歴史あるもので、今年で47回を迎えました。受賞者には正賞として楯が、副賞に300万円が贈呈されます。贈呈式は12月8日(月)に東京で行われる予定です。
受賞者と作品の紹介
政治・経済部門
受賞作品:『就職氷河期世代――データで読み解く所得・家族形成・格差』
(中央公論新社)
受賞作品:『模索するNATO――米欧同盟の実像』(千倉書房)
及び『はじめての戦争と平和』(筑摩書房)
この部門は、経済的な問題や社会情勢に関する鋭い分析が求められます。
芸術・文学部門
受賞作品:『無意味なんかじゃない自分――ハンセン病作家・北條民雄を読む』
(講談社)
- - 細川 瑠璃(東京大学大学院総合文化研究科専任講師)
受賞作品:『フロレンスキイ論』(水声社)
芸術と文学の深淵な世界に迫る作品が揃っています。
社会・風俗部門
- - 鈴木 昂太(国立民族学博物館人類文明誌研究部助教)
受賞作品:『比婆荒神神楽の社会史――歴史のなかの神楽太夫』(法藏館)
- - 松永 智子(東京経済大学コミュニケーション学部准教授)
受賞作品:『米原昶の革命――不実な政治か貞淑なメディアか』(創元社)
この部門では、社会の変遷や風俗に関する深い考察が求められます。
思想・歴史部門
- - 鶴見 太郎(東京大学大学院総合文化研究科准教授)
受賞作品:『ユダヤ人の歴史――古代の興亡から離散、ホロコースト、シオニズムまで』
(中央公論新社)を中心として
- - 師田 史子(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科助教)
受賞作品:『日々賭けをする人々――フィリピン闘鶏と数字くじの意味世界』
(慶應義塾大学出版会)
この部門は歴史と思想についての新たな視点を提示する重要な役割を果たします。
選考の背景
今回の選考では、2024年1月以降に出版された日本語の著作が対象となります。選考委員は各部門ごとにそれぞれ優れた作品を推薦し、2度の選考委員会で厳正に審査を行いました。選考基準には、個性豊かで将来性のある新進の研究者や評論家であること、明確な思想や主張があることが考慮されています。
終わりに
公益財団法人サントリー文化財団は、1979年に設立以来、日本の学術文化の発展を支援し続けています。今後も文化と社会に貢献する研究と活動が続くことを期待しています。詳細や受賞者の略歴については、
こちらのリンクからご確認ください。