印刷博物館に新しい息吹|京極夏彦新館長就任
TOPPANホールディングス運営の印刷博物館が、2025年4月1日付で作家の京極夏彦氏を新館長に迎えることが決まりました。多彩な作品で名を馳せる京極氏が、印刷文化の発信にどのような変革をもたらすのでしょうか。
印刷博物館は、2000年に東京で開館し、日本初の印刷に関する本格的な施設として、多くの来館者を魅了してきました。年間3万人以上の訪問者を集めるこの博物館は、印刷にまつわる多様なテーマで企画展を開催し、教育活動にも力を入れています。その基本理念は、印刷の持つ社会的意義や文化への影響を広く伝えることにあります。
新館長に就任する京極夏彦氏は、1994年にデビューして以来、独特な幻想的な物語で評価を得ており、数々の文学賞を受賞している日本を代表する小説家です。また、彼は印刷や造本装丁に関する深い理解も持ち合わせており、これが印刷博物館での新しい活動にどのように寄与するかも注目です。
印刷博物館は過去に、印刷文化学を提唱し、印刷の役割を社会に広報することを使命としてきました。京極氏の就任により、これまでの活動をさらに進化させ、豊富なコレクションと京極氏の理解が重なり合うことで実現される発展が期待されています。館内では、印刷に関する専門的な知識や技術をより深く学べる場を提供することを目指しています。
新館長就任に際して、京極氏は「印刷の持つ影響は大きく、文化や社会そのものを変えてきた」と述べています。現在、メディアの電子化が進む中でも、印刷は文化の根本に存在し続ける重要な要素であると強調しました。彼の言葉を受けて、印刷博物館は今後、印刷文化をより一層、多くの人々に伝える役割を担うことでしょう。
新館長の思い
京極夏彦氏は、自らを「一介の物書き」と位置付けながら、この重責に身が引き締まる思いを抱いているとのこと。しかし、その思いには来館者への期待と共に、印刷博物館の未来へ向けた決意がにじみ出ています。「皆様のご来館をお待ちしております」との言葉には、その思いが詰まっています。
印刷博物館は、今後も「印刷文化学」の体系を構築し、印刷の価値を広める活動に注力していく計画です。新たな館長のもとで、どのような新しい展示やイベントが展開されていくのか、目が離せません。京極氏の独自の視点と印刷文化の専門性が融合した新しい印刷博物館の姿に期待が寄せられています。