移民と難民の実態を描いた村山祐介氏の著作がジャーナリズム大賞受賞！

村山祐介氏の受賞作『移民・難民たちの新世界地図』

2024年7月、村山祐介氏のノンフィクション作品『移民・難民たちの新世界地図――ウクライナ発「地殻変動」一〇〇〇日の記録』が第25回「石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞」（公共奉仕部門大賞）を受賞しました。この受賞は、今年5月に授与された「山本美香記念国際ジャーナリスト賞」に続くもので、彼の報道活動が高く評価されていることを示しています。

書籍では、厳しい環境下で生きる人々の姿を描いています。クルド人家族が「移民兵器」として森に放たれる様子、アフリカの人々が鉄の棺桶のような船で地中海を渡る姿、そして徴兵から逃れるウクライナの若者たちが雪の山に消えていく場面など、さまざまな実例を通じて現代の移民・難民問題のリアリティを表現しています。著者は、この作品を通じて、多くの人々にこの新たな現実について考えてもらいたいと呼びかけています。

石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム賞について

この賞は、早稲田大学が2000年に設立し、優れたジャーナリズムの活動を発掘し顕彰することを目的としています。社会文化への貢献や公共の利益を促進するジャーナリストを育成し、自由で開かれた言論環境の形成を目指しています。受賞者は、社会に対する責任を意識し、自由な意見表明を行うことが求められます。

強まる移民・難民への風当たり

村山氏は、時代の流れの中でメディアの影響力や社会的責任について深く考えています。特に、現在の移民や難民に対する見方が厳しくなっている中で、「なぜ人は命をかけてまで旅をするのか」という問いを投げかけ、その背後にある思いや不条理を知ることの重要性を訴えかけています。彼の作品は、声の届かない人々の視点を浮き彫りにし、視聴者に深い感情的共鳴を呼び起こします。

村山祐介氏のプロフィール

村山祐介氏は1971年に東京都で生まれ、立教大学法学部を卒業後、三菱商事、そして朝日新聞社での記者活動を経て、2020年にフリーのジャーナリストとして独立しました。彼はオランダ・ハーグを拠点に「クロスボーダー」をテーマにした報道を行い、YouTubeチャンネル『クロスボーダーリポート』でも情報発信を行っています。彼の成果は、ATP賞テレビグランプリやボーン・上田記念国際記者賞など、数多くの賞によって認められています。