横浜みなとみらいで新たな邦楽の息吹
横浜市の象徴とも言える横浜みなとみらいホールで、2026年に向けた新しい音楽シリーズ『Just Composed in Yokohama ―現代作曲家シリーズ―』が始まります。この公演は、日本の伝統的な「音の精神」をテーマに、邦楽奏者だけが出演する初の試みとなり、今から期待が高まっています。
日本の伝統音楽と現代作曲の融合
このシリーズは1999年から続くもので、近年の音楽シーンに影響を与えている気鋭の作曲家たちに新作を委嘱し、過去の作品を再演するという仕組みを持っています。2026年の公演には、日本の三味線奏者であり、様々なジャンル的アプローチを重視する本條秀慈郎が初めて登場します。
本條秀慈郎は、三味線音楽を進化させることに情熱を注ぎ、複数のジャンルとの共演を通じて、自身の音楽活動を広げてきました。彼が提唱する今回のテーマ「日本の音の精神」にのっとり、さまざまな作曲家の多面的でハイブリッドな作品が並びます。
注目のプログラム構成
公演のプログラムには、酒井健治や北爪道夫といった有名作曲家の作品に加え、ドイツ在住の作曲家・岸野末利加による新作が含まれます。この新作は、正確には邦楽アンサンブル「J-TRAD Ensemble MAHOROBA」によって初演される予定です。日本独自の精神性が表現された音楽は、新たなリスナーに感動を届けることでしょう。
昔を振り返り今を受け継ぐ
特筆すべき点は、1994年度に委嘱された藤家渓子の名作《風神》の再演です。この曲は、尺八、チェロ、ギター用に書かれたもので、本條秀慈郎が新たに編曲を手掛け、三味線と胡弓、そして二十五絃箏を使った新しいバージョンが披露されます。このように、横浜から同時代の音楽が継承されることを目的としたシリーズは、芸術文化振興財団の期待に応えるものです。
公演情報と関連イベント
この公演は、2026年3月14日(土曜日)に横浜みなとみらいホール小ホールで開催されます。具体的な出演者には、本條秀慈郎をはじめとする選りすぐりの邦楽奏者が名を連ねています。チケット料金もリーズナブルで、多くの方に体験していただける内容となっています。
さらに、公演に先立って開催される関連レクチャーも見逃せません。音楽学者の白石美雪が、音楽の楽しみ方を解説するこのレクチャーは、多くの聴衆に現代音楽の魅力を伝えます。興味がある方は、事前申し込みをお忘れなく。
デジタルアーカイブも必見
横浜みなとみらいホールでは、過去の公演情報をデータベース化したデジタルアーカイブも公開しています。これにより、歴代の公演の成果や資料にアクセスでき、音楽の歴史を感じることができるでしょう。
このように、横浜みなとみらいホールでの『Just Composed in Yokohama』は、音楽愛好者だけでなく、新たな視点から日本の音楽を楽しみたい方にもおすすめのイベントです。ぜひ、未来の邦楽を見逃さないでください。