『ナターシャ』初披露
2025-06-26 12:40:25

新国立劇場で細川俊夫と多和田葉子が創る新作オペラ『ナターシャ』を語る

新国立劇場での新作オペラ『ナターシャ』記者懇談会



2024年8月、新国立劇場での世界初演が予定されているオペラ『ナターシャ』に関する記者懇談会が行われ、作曲家の細川俊夫と作家の多和田葉子が登壇しました。この新作オペラは、人間の欲望と環境破壊をテーマに、細川氏が委嘱を受けた作品であり、現代の社会問題に鋭く切り込む内容が期待されています。

講演のハイライト


細川俊夫の挨拶


細川氏は、「日本で初めて世界初演されるオペラを手がけることができ、非常に喜ばしい」と挨拶。続けて、作曲の経緯を語り、「2019年に芸術監督の大野和士さんからオペラへの依頼があった際、世の中がコロナ禍や戦争などの影響を受け、厳しい時期だったが、多和田さんの素晴らしい台本によって作品が実現した」と振り返りました。

作品「ナターシャ」は、ウクライナの青年が語り、環境問題や人間の欲望をテーマにした、7つの地獄めぐりが展開される構成。これまでのオペラと異なり、多言語による表現が試みられることが特筆されます。

多和田葉子の創作エピソード


多和田氏はこの作品が初めてのオペラ台本で、「細川氏の多言語オペラに対する構想に心を踊らせながら取り組んだ」と話しました。ドイツ語、日本語、ウクライナ語を駆使し、文学作品における言語の使い方とは異なる挑戦をした意義を強調。彼女は、ベルリンのような多文化社会の音響環境を反映させながら、さまざまな言語を織り交ぜる苦労や楽しさを語りました。

大野和士のメッセージ


大野監督は懇談会に不在ながらも、書面で自らの期待と、細川・多和田両氏のコラボレーションの意義について触れ、「今の時代に必要な人間同士の繋がりを描くこのオペラが、多くの人に共感を呼ぶことを願っています」とのメッセージを寄せました。

記者たちの質疑応答


さまざまな質問が投げかけられる中、細川氏は「冒頭のコーラスでは36カ国語で『海』をテーマにした言葉を歌い、それが物語の始まりとなる」と説明。また、多和田氏は、オペラの構成や、新たな表現方法への挑戦が如何に音楽に深い影響を与えるかを語りました。

公演情報


新国立劇場オペラ『ナターシャ』は、2025年8月に行われます。新しい音楽体験が期待される中、多言語オペラのその全貌が今から楽しみです。チケットの詳細は新国立劇場の公式ウェブサイトをご覧ください。長い時間を経て、現代の課題を反映するこの作品は、音楽と文学が交わる新たな地平を切り開いています。


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