静かな退職の実態
2025-05-27 15:46:22

中小企業が抱える「静かな退職」の実態と人事課題を探る

中小企業が抱える「静かな退職」の実態と人事課題



近年、静かな退職や退職代行の利用が増加し、中小企業にとって人材の定着や確保が難しい時代が続いています。このような状況を受け、日本人事経営研究室が実施した意識調査の結果、経営者や人事担当者と社員の間で、退職理由に対する意識に大きなギャップがあることが明らかになりました。

調査の概要


この調査は、全国の中小企業に勤務する経営者および人事担当者、転職経験のある一般社員の計200名を対象に実施されました。調査期間は2025年5月15日から19日で、インターネットを用いた方法で実施されています。

退職理由に対する意識のギャップ


経営者や人事担当者の中で、「会社や自分の将来性に不安を感じた」という理由が退職要因と考えられているのはたったの18.0%でした。しかし実際に退職した社員の30.0%がこの理由を挙げており、認識の差が浮き彫りになっています。このギャップは、経営側が社員の感じる不安を解消できていないことを如実に示しています。

本当の退職理由


社員の退職に関する調査では、最も多く挙がった理由が「職場環境」で39.0%、次に「給与や待遇への不満」が38.0%でした。「会社や自分の将来性に不安を感じた」が30.0%という結果も注目されます。更に、退職時に本当の理由を伝えなかった社員は54.0%に達し、最も多い「家庭の事情」が38.9%という結果に。実際の理由が表に出てこないため、経営側は与えられた情報だけでは改善点を見出せない状況です。

「静かな退職者」の増加


調査では、47.0%の経営者が社内に「静かな退職者」が存在すると答えており、業務を最低限のレベルにて行う社員が増えている実態が確認されました。このような傾向は、社員の7割が「与えられた仕事以外はやりたくない」と感じていることからも理解できます。理由として「業務量が多くて手一杯」という意見が42.9%で、努力の結果が評価に反映されないという意識が多くの社員のモチベーションを低下させています。

経営者の意識


また、社員のモチベーションを上げるために何か具体的な施策を行っている経営者は39.0%も存在する一方、約4割は「何もない」と回答しています。これは、社員のモチベーションの低下を感じていても、何も行動を起こしていない状況を示しています。さらに、中小企業の62.0%が人事評価制度を導入していない事実も無視できません。74.2%の経営者は「業績に影響しないから」という理由で導入を避けているとのこと。これにより、社員は会社の方針や評価基準への不安を抱え、ひいては退職を選択する要因にもつながります。

課題解決に向けて


今回の調査により、多くの中小企業が抱える人事課題や社員のモチベーションの低下の背景には、人事評価制度の未整備が深く関与していることが明らかになりました。経営者は、適切な評価制度を整備することで社員のモチベーション向上や離職防止に努める必要があるでしょう。経営計画をしっかりと実行することで、納得感のある人材育成を進めることが求められています。今後も中小企業においては、賃上げや人材育成が重要なテーマとなるでしょう。


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