多摩美術大学にて行われるシンポジウム「ひとびとの声・わたしたちの歌」

シンポジウム「ひとびとの声・わたしたちの歌」で響くアンデスの旋律

多摩美術大学（東京都世田谷区・八王子市）が主催する第4回「記憶の道」シンポジウム「ひとびとの声・わたしたちの歌」が、2025年12月6日（土）に八王子キャンパスのレクチャーBホールで開催される。今回は、ペルーのアヤクーチョ生まれのケチュア音楽歌手、イルマ・オスノ氏が特別ゲストとして登壇する。

シンポジウムの意義とテーマ

本シンポジウムは、アートとデザインの人類学研究所と、芸術学科の授業「21世紀文化論」の共催で行われる。特に「声・歌・音楽」をテーマに据え、日常の文化や人々の歌声が持つ力を考察する絶好の機会となる。

イルマ・オスノ氏は、アヤクーチョに生まれ、幼少期から地元の伝承文化に親しみながら育った。12歳までケチュア語を話していた彼女は、ペルーの歴史的な混乱から避難し、後に教育の道を歩むことになるが、その後も彼女の音楽は故郷の文化を反映している。日本に移住して以降は、自らの歌声を通じてアンデスの文化を紹介し続けている。

シンポジウムプログラム

シンポジウムは13時30分からスタートし、開場は13時。参加は事前申込が必要で、一般の参加者は最大30名が定員となっている。

また、参加費は無料で、多摩美術大学の学生や教職員は事前申し込みなく参加できる。このシンポジウムには、オスノ氏の他にも、大学の各専門分野から教授陣が参加し、さまざまな視点から「ひとびとの声」がどのように表現され、また議論しうるのかが掘り下げられる。

文化と音楽の関係性

本シンポジウムは、単に音楽を聞く場ではなく、「ふつうのひとびと」の文化や生活そのものに焦点を当てたものである。民俗学が扱う「folk」や「volk」といった概念が、どのように音楽やアートを構成し、人々の生活文化を形作っているのか、その実体を明らかにすることが目的である。音楽が大地から生まれ、生命との交感を経て世界を巡る様子を考察することにより、新しい文化的な理解が促進されるだろう。

参加の呼びかけ

参加を希望する方は、シンポジウムの公式サイトから申し込みをお願いいたします。定員に達し次第、募集を締め切りますので、興味がある方は早めの申し込みをお勧めする。

また、シンポジウムの後には、参加者同士で議論を交わし、何かしらのインスピレーションを得る良い機会ともなるでしょう。このような独自の視点から音楽を探求し、共有できる場を通じて、人々との共鳴が生まれ、さらなる文化的対話が促進されることを期待したい。