SXSW 2025で輝く日本の音楽、TOKYO CALLINGの魅力とは

SXSW 2025ショーケース「TOKYO CALLING」レポート

2025年3月11日、アメリカ・テキサス州オースティンで開催された『SXSW 2025』は、日本の音楽シーンを代表するアーティストたちが集結したイベントとして、特に注目を浴びました。一般社団法人カルチャーアンドエンタテインメント産業振興会（CEIPA）とTOYOTA GROUPの協力により実現したこのイベントは、「MUSIC WAY PROJECT」の一環として行われました。様々なジャンルのアーティストが参加し、会場には熱気が漂っていました。

日本の次世代アーティストたち

イベントは、まず『INSPIRED BY TOKYO』ステージから始まりました。トップバッターとして登場したのは、北村蕗です。彼女は初めての海外パフォーマンスに挑む緊張感を見せつつ、ソロで「amaranthus」を披露し、観客を魅了しました。その弾き語りスタイルは、エレクトロニックとアンビエントを融合させた優しい音色で、会場に深い安らぎをもたらしました。

続いて登場したのは、R&BシンガーソングライターのVivaOlaです。彼女はオルタナティブなR&Bトラックを披露し、感情豊かなパフォーマンスで観客との距離を縮めました。時差ボケを冗談交じりに語りながら、その実力を存分に発揮し、オーディエンスをノスタルジックなムードに引き込みました。

さらに、京都出身のluvisが、彼の華やかなサウンドで会場を春の訪れを告げるように彩りました。彼の新曲「gimme!(jugem)」では、オーディエンスの声を直にレコーディングするユニークな試みが行われ、参加者の心を掴みました。

インパクトのあるバンドパフォーマンス

屋外ステージでは、打首獄門同好会が登場しました。このバンドは、昨年の出場キャンセルからのリベンジとも言えるパフォーマンスで重低音のビートに乗せて、迫力満点のステージを展開しました。「筋肉マイフレンド」や「猫の惑星」、さらにはユーモラスな曲「布団の中から出たくない」を通して、笑いと興奮の両方を提供しました。

眉村ちあきは、二度目のSXSW出演ということで、特別メドレーを含む7曲を披露しました。東京の人々の生き様をテーマにして歌い上げ、「東京留守番電話ップ」や「インドのりんご屋さん」などで力強い歌声を響かせ、観客を虜にしました。彼女のパフォーマンスに対する応援の声も、まさに圧巻のものでした。

オルタナティブロックバンドのEnfantsは、サウンドチェック中にRage Against the Machineの名曲を披露し、観客を惹きつけました。初めてのアメリカ公演の緊張感を感じさせない、堂々とした姿が印象的でした。

最後を締めくくる東京初期衝動

トリを務めたのは、昨年も出演したガールズバンドの東京初期衝動。彼女たちのエネルギッシュなパフォーマンスは、会場の空気を一変させました。特に「メンチカツ」の披露時には、観客がフロアにダイビングする場面も見られ、パンク精神を見せつける瞬間が訪れました。恋愛をテーマにした「恋セヨ乙女」では、若々しいエネルギーを感じさせたチャーミングな演奏を展開しました。

SXSWの音楽部門の責任者であるジェームズ・マイナー氏は、日本の音楽シーンの多様性と成長を称賛し、アメリカのオーディエンスへの理解が深まっていると語りました。このイベントを通じて、日本の音楽の存在感がいかに国際的に注目を浴びているかが明らかになったと言えます。

『TOKYO CALLING』と『INSPIRED BY TOKYO』によって、日本音楽のダイバーシティが広まり、毎年SXSWで行われるこのショーケースが、海外のオーディエンスに日本の音楽を伝える架け橋となることは間違いありません。これからのますますの活動が楽しみです。

Text by Megumi Hamura